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〇マカロンはマカロン/近藤史恵

「お酒のあとで、あまり重たくない洋食となると、
ビーフシチューや海老グラタンがおすすめです。
ビーフシチューは牛骨のスープを使っている本格派で、
一度表面を焼いて旨味を閉じ込めた牛肉を、
口に入れた瞬間、ほろっとなるくらい煮込んでいます。
海老グラタンの海老は、当店目利きのシェフが
市場で選んだ海老の精鋭たちを使用しておりまして・・・」

マカロンはマカロン

「マッシュルームとクラテッロのミルフィーユ仕立てです」
薄く切ったステーキマッシュルームと
クラテッロという生ハムを何層にも重ねた一皿だ。
生のマッシュルームの鮮烈で爽やかな香りと食感、
そこに生ハムの脂肪分とコクが絡む。
ソースはなくても、素材の香りが絶妙な
ハーモニーを醸し出すはずだ。

マカロンはマカロン

今回のアントレは、グレープフルーツと
海老のサラダだった。
国産のほろ苦いアンティーヴの上に、
まるで花のようにグレープフルーツの果肉と
小ぶりな海老が並んでいる。
パンには、バターではなく、
極上のオリーブオイルを添える。

マカロンはマカロン

ちょうどその日は季節のホワイトアスパラガスが入っていたので、
白と緑、そして珍しい紫のアスパラガスを
ビスマルク風で調理して出す。
昔はホワイトアスパラガスといえば、
フランス産のものを空輸していたのだが、
最近では北海道産のよいものが手に入るようになった。
アスパラガスは、特に新鮮さが重要な野菜である。
シェフも仕入れから帰ってくると
真っ先にアスパラガスを茹でるところだ。

マカロンはマカロン

パテ・ド・カンパーニュは〈パ・マル〉のスペシャリテのひとつ、
豚肉やレバーなどを使ったいわゆる田舎風パテだ。
マンガリッツァというのは、ハンガリー産の豚らしい。
スペインのイベリコ豚や、バスク地方のバスク豚などは、
日本でもそこそこ有名になったが、
マンガリッツァはまだ知られていない。

マカロンはマカロン

フランス地方料理のサラダでは、
サラダ・ニソワーズが有名だが、
本場では、リヨネーズも負けず劣らず有名だと聞く。
茹でたじゃがいも、アンチョビ、オリーブなどの
地中海らしい材料を揃えたニソワーズに対し、
リヨネーズは香ばしく焼いた
鶏レバー、ベーコンやチョリソー、
それにポーチドエッグを添えるのがお約束だ。

マカロンはマカロン

亜子さんの前に置くのは、
秋茄子ときのこのスープ仕立てだ。
皮を剥いてオーブンで焼いた茄子に、
ジロール茸やマッシュルーム、
ポルチーニ茸などを柔らかく煮て、ピュレ状にし、
生クリームと合わせたスープを添えてある。
秋茄子は、フルーツのように甘く、
きのこの旨みは濃い。
ベジタリアンの人にも人気のあるメニューだ。

マカロンはマカロン


パ・マルシリーズはやっぱり
フランス料理がおいしそう~~!
そしてフランス料理の勉強にもなる。
このシリーズは読破したくなる。



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