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ケープタウンのストリートでの出会い ①ロシア編

実を言うと南アフリカを選んだのにはもう一つ理由がある。それはマリ〇ナが合法ということ。
自宅での栽培や使用は法律で認められており、販売は申請を通していればOKだそう。

学校の近くに『Little Amsterdam』と言う確実に扱ってそうなお店がある。
ある日の放課後、その店に立ち寄ることにした。

ここはLong streetにある。
学校から徒歩2分ほどで行ける距離だった。

ドアを開けると、ショーケースの中にはシーシャで使う様な器具がたくさん置いてあった。
(これが普通の国か〜!やっぱりすごいな🥹)

店員らしき男に買えるのか聞いてみることにした。
すると彼は『Oh,I'm not staff』そう言った。

カウンターにはメガネをかけた小太りの男性が、お客さんに使い方など説明している。
その会話を聞いていた、小太りの男性は僕に喋りかけてきた。
『ハッハッハ、大〇はここでは買えないよ。ただここにいけば手に入れる事ができるよ』
そう言って一枚の紙を渡された。
それは大〇の写真と別のお店の住所が載ったチラシだった。
(なんかドラクエみたいや…どんどん話進んでいく!!)

それを見ていた先ほどの男が、友達となにか話し合っている。
そのうちの一人が僕に話しかけてきた。
『今から僕達もこの店に行くけど、一緒に来る?もうウーバーも呼んであるんだ』
(おぉーーー!この流れはいくしかない!やっぱりドラクエか!?)

そのお店の住所はseapointと書かれている。
ホームステイ先の近くなので万が一何かあっても逃げれるかも、そう思い一緒に行くことにした。

Little Amsterdamにある様々な種類のボング。
他にも色んなグッズが置いてあった。

いざCannabistersへ

話を聞くと彼らはなんとロシア出身で、今は南極で建設業をしているそう。(ほんまか!?)今は休み期間でケープタウンへ滞在していると言った。

しかも何年か前には北方領土にて建設なども行なっていたらしい。
正直嘘みたいな話で疑っていたが、マリ〇ナへの興味がそれを羽生らかした。

ウーバーが目的地へ到着すると、独特の香りがする店があった。
そこには『Cannabisters』と書かれ、入口には鉄格子のゲートがあり、前には屈強な男性が立っていた。

とりあえず中に入るか…
受付の女性がゲートをあけ僕たちを招き入れてくれた。
どうやらここは会員制のショップらしく、毎月100R(750円ほど)で会員になれる。

僕達はとりあえずメンバーシップに登録し中に入った。

店内はカフェみたいな内装でとても綺麗だった。
奥のカウンターには大量に瓶が置かれており、[1g 165R]と書かれたシールが貼ってある。
(うわー、やっぱり合法な国はすごいなー!カナダもApple storeみたいに綺麗な店で売られてるけど、南アフリカも同じなんや!!)

僕はテンションが上がっていた。ロシア人たちも目を輝かせていた。
そこから2階の席に座り、彼らが買ってくれたマリ〇ナを試してみた。

匂いがすごく濃厚だ…
彼らは吸い慣れてるようで、吸い終わればまた火をつける、そんな感じで時間は過ぎていった。

彼らはすごく優しく、学校以外で初めての友達になった。

後日彼から送られてきた動画。
ほんまに南極で仕事してたんや!!

まるで映画の中 Mojo market

Cannabistersをあとにして僕はSeapointのstreetを一人で歩いていた。
すこし喉が渇く。店を出て向かいのマンションから白タンクトップを着た黒人二人組が下を睨んでいる。
僕は彼らがギャングに見え、こんな所にいる僕は確実に目立ってるだろうと焦っていた。

家に帰るバスを待つ間、水か何か買おうと急いで店の中に入った。

そこはMojo marketと呼ばれるレストランやバーが並ぶレストラン街で、中はまるで60年代のアメリカのモールのような色使いで音楽もとても陽気だ。
音楽に合わせて店員が踊っていたり、みんなとても楽しそう。
(外とのギャップがすごい!!ここはなんやっ!!)

僕は少し安心し、お腹も減ってきたのでポークステーキ店の試食を食べてみた。
(めちゃめちゃうまい!!)

『Where are you from?』店員さんから聞かれたので日本だよと答えた。『Oh,That's cool!』そこから注文したステーキが出来るまで少し雑談をした。
彼は現在20歳で、高校卒業後ここで働いてるらしい。
そして日本のアニメも好きらしく話は盛り上がり、連絡先を交換する事にした。
(なんだか今日は色んな出会いがあるなー
ドラクエの日か今日は!!)

Mojo marketのバー。ほぼ毎日夜はLiveが行われる。

Seapointの違和感

ポークステーキを買ってバスを待つ間、なんだか奇妙な雰囲気を感じていた。
なぜMojo marketのスタッフは白人がおらず黒人だけなのか。他の地域では特に気にならなかったのに。
その原因はすぐに分かった。ここseapointは元々アパルトヘイト制度があった時代、白人だけの街だった。白人以外の人種は労働でしかここに来れない。
その名残があるのか、高級車に乗るお金持ちそうな白人たち。そのすぐ後ろをガタガタのトラックの荷台に乗った黒人たち。そんな光景がすぐ目の前で起きていた。

そもそも同一人種がおおい日本ではそんな光景は見ない。実際目にするとカルチャーショックのような衝撃があった。
市内にいけば多人種だらけで、何も気にならない。ただ市内にも目に見えない"名残"があるのだろう、今まで見た光景がフラッシュバックしていた。

やっとバスが来たので乗車し家に着くと、さっきのスタッフにメッセージを送った。

やりとりをしていて、彼はふいに『彼女はいるの?』そう聞いてきた。

いや、いないけど。君は?
『今探してるんだ。ただ地元の子はここにいなくて』

友達の紹介とかはどうなの?
『紹介された子は皆タイプじゃないんだ』

『でも君の周りには沢山女の子がいる』
んー、まぁそうだけどまだ仲良くなってないな。

…それから、連絡が返ってこなくなった。

たまたま返ってこなくなっただけかもしれない。

当たり前だと思っていた日常は、こちらでは当たり前でなく、贅沢な立場に実はいるんだと感じさせられた。

ポークステーキを少し食べて泣きそうになった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。
次回からはケープタウンでの家探し、ご飯など紹介していきます!
ではまた✈️

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