マニキュア
好きな人と遊びに行く日、家を出る1時間前にマニキュアを塗った。
前日に塗りなさいよ…という感じではあるが、気づいたら家を出る1時間前だったのである。
普段マニキュアは塗らない。たまーに、どこか遊びに行くとか特別な日の前とかに塗るくらい。
好きな人と遊びに行くのは特別な日なので塗ったのだ。
付き合っているわけでもなく、なんなら数ヶ月前に告白して振られた。でも、「映画とか飲みとかまた行こう」という今後の関係を崩さないようにするための社交辞令を私は信じてしまい、映画に誘ったのである。
自分でも何をしたいのだか分からないけれど、好きな人と2人でどこかに行けるのが嬉しくて、ちょっと粧し込んだし、マニキュアまで塗った。特別だからね。
数時間だけど、緊張しすぎてうまく話せなかったけど、楽しかった。夢みたいだった。
その日から1週間、マニキュアの色が少しずつ薄くなってきた。夢から覚めるみたいにどんどん元の爪が見えてくる。
人間、記憶なんてすぐ忘れてしまうから、このマニキュアだけがあの日の記憶を覚えている。
とかまあこんなポエムじみたことを考えてしまっているため、中途半端に落ちてきたマニキュアを除光液で落とそうともしないし、新しく塗り直そうともしないのである。
2020年始まってしまったな、、、
おやすみ
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