ヨシカワヒロシ

飲食デザイナー・・・専門店から酒場、プライスカード1枚から店舗デザインまで。「おいしい…

ヨシカワヒロシ

飲食デザイナー・・・専門店から酒場、プライスカード1枚から店舗デザインまで。「おいしい」は当たり前の時代にどう生きていきますか。

最近の記事

平成のとんかつ 豚肉奮闘記2

巻頭はこのプロジェクトではメニュー化されなかったかつ重です。 拙い文面ですが、なかなか大変です。喋って実行するのと書くのでは大違いですね。 パートナーF社のA豚は工場内での加工、ストックから物流まで一定温度帯で管理されています。開業へ向けた厨房器具計画ではこの工程同様に温度管理された保管庫を設置しました、通常の冷蔵、冷凍ではない温度帯と言うことです。 ここまでの条件下で「寝かして更に美味しくする」を探りました。 同時に、基本になる豚ロースとんかつのサイズ、オリジナルパ

    • 平成のとんかつ 豚肉奮闘編1

      巻頭の画はロゼに仕上げたヒレカツのプレスサンドイッチに豚ロースのポテトサラダを添えました。 さて、自身の舌が確信となり「美味しい豚肉」が決まりました、銘柄をA豚としましょう。 シンプルで歴史ある料理「とんかつ」。どれほどの先人の努力でいろいろな形が作られてきたのでしょうか。 はじまり物語を紐解くことはしませんが、 美味しい「とんかつ黄金律」というような間違いないストライクゾーンはある程度はなぞっていかないといくら時間があっても足りません。 店舗物件も決まっているプロ

      • 平成のとんかつ プロローグ

        表題。 ここまで書いてきたしっかり揚げ、たっぷりソースに辛子でお腹を満たす「とんかつ」とは一線を引き、 肉の美味しさを味わう「とんかつ」を勝手にそう呼んでいます。 社内外のいろいろな打ち合わせや、メニューや広告コピーにも使いました。 別の機会で書くつもりですが、社命の下で焼き鳥一本、玉ねぎ一個から大型ダイニングまで和洋中、東京から関西地区まで。たくさんのミッションにそれぞれ拘りを見出し携わってきました。 歴史ある社の業態のほとんどはアルコールを主体としたもの。様々な

        • 餌の味

          巻頭の画は本文と全く関係のない季節の一品です。 開国後、諸外国人との体格差を目の当たりしたのが、肉食を後押ししたと読んだ事があります。 牛肉、鶏肉、豚肉はパワーと肉体の源。 牛肉に比較し、サイズからも家畜としては安価に育てる事ができたのが豚。 「豚の餌にでもしておけ」「残飯で育てる」なんてとんでもない言葉も一昔前は耳にしましたね。 「ブタ箱=臭いメシを食わせる」、飼育環境もさらにいい言葉ではありません。 さて30歳、テラスを要し500席以上もあった大型シーフードレ

        平成のとんかつ 豚肉奮闘記2

          曖昧さが性に合っている

          で、「とんかつ」から大胆に横道にそれます。 どうもストレートで書き進めると断片的になり、納得のできない流れになってしまいそうなので・・・・ 子供の頃、鉛筆と紙に絵を書くことが大好きでした。マンガやアニメ、ウルトラものが中心だったでしたが、それなりに描けていたようです。気がつくと右手の腹は真っ黒、中指には立派な鉛筆だこが小学校3、4年にはできていました。こんな時代の今もしっかり残っています。 不良という類でないが、問題児とされた小中学校時代。 小二だった私の授業を抜け出

          曖昧さが性に合っている

          懐かしのとんかつ

          私の携わってきた飲食。創作居酒屋、和食ダイニング、釜飯や土鍋ごはん、北京ダックを看板にした中華ダイニング、スキヤキやしゃぶしゃぶ、ビヤホールからビヤガーデン、天ぷら、干物や馬肉料理などなど列挙するとまるで雑食のような・・・社の命を受け開発、推進業務の下に実に多くの業態や事業に関わらせていただきました。 いろいろとありますが、先ずは大好きな「とんかつ」から。 まさか飲食に携わるとは思ってもいなかった子供の頃、 御馳走として晩飯の主菜とされたとんかつはほぼ「ひれかつ」だった

          懐かしのとんかつ