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デイサービスをはじめる1年前に考えていること

このマガジンを運営しているぼくたち3人は、来年の夏ごろに岡山でデイサービスをスタートさせるために準備を進めています。

今回は、約1年前にあたるいま、どんなことを話して何を考えているのかについて書いていこうと思います。

このマガジンでは、別々のキャリアを歩んできた3人が「デイサービスを立ち上げるまでの一年の間に考えていること」をそれぞれの視点からリアルタイムで発信していきます。おもしろいなと思ってくださった方は、SNSやマガジンをフォローしてもらえると嬉しいです(フォローはこちらから)。

今なにをやっているのか

これまでのnoteでも書いてきましたが、現在、メンバーの3人はそれぞれ違う場所で違う仕事をしています。

このプロジェクトの発起人であるしゅうへいは愛知県でデイサービス。ちかは、広島で訪問リハ。ぼくは京都の宿泊施設。

そんな中で週に2回、仕事終わりにLINE電話を繋ぎながら、サービスの立ち上げに向けてあれこれと話をしています(雑談も多め)。

具体的にいま話しているのはこんなこと。

① どんな人のためのサービスをつくりたいか
② ❶の人にとって、どんなサービスがあるといいか
③ ❷をつくるために、どう進めていけばいいか

文字で書くとすごくシンプルなことですが、いまは①と②にかなりの時間とエネルギーを注いで、考えていることを整理している最中です。

具体的には、次のようなプロセスで①&②について考えています。

1) サービスを届けたい身近な人物を思い浮かべる
2) その人物の背景、デマンド、ニーズを整理する
3) 表層化していない潜在的な欲求を推測する
4) (2)と(3)を踏まえてサービスのアイデアを整理する
5) その人物がサービスを利用した時のストーリーを考える
6) 各自で整理した(1)〜(5)を三人で対話しながらアイデアを磨いていく

ここまでが実在する人物1人に対して考えていることです。これを合計で10人分考えています。

(1)から(5)までは、まずは各自で考えていきます。
これには結構時間がかかりますが、(6)の対話では、3人でさらに時間をかけてさまざまな角度からアイデアを広げたり、深めたりしていきます。

「そもそもどうしてその人を思い浮かべたのか」「この人に関連して自分の中で印象的なできごとは何があったか」などなど。

たとえば以前、メンバーが実際に体験したエピソードをきっかけに、話がぐっと膨らんだことがありました。

クリスマスのイベントで演奏会をやったときのこと。利用者さんに楽器を渡してそれで演奏してもらったんだけど、スタッフは周りに真顔で立っているだけで一緒に演奏するわけじゃなくて。それにすごく違和感を感じたことがあった。

この話を受けて、「他の施設でもそういうシーン、ありそうだなあ」という共感を糸口に「どうしてそれが違和感だったのか」を話していきました。

「利用者さんはどう感じていただろうか?」「自分がスタッフとして、その場にいたらどうか?」「どうすれば、利用者さんもスタッフも楽しめる場がつくれるか?」などなど…。

これはほんの一例ですが、こういったことを繰り返しながら、すこしずつ自分たちの大切にしたいことを明確化し、サービスのアイデアをブラッシュアップしています。

コンセプトに出会う

こんな話し合いを数ヶ月続けていくなかで、先日「これが自分たちが大切にしたいことの軸かも」というコンセプトが浮かび上がってきました。

それが「だいたい、なんでも一緒にやってみる」ということです。

このコンセプトに出会うまでのことを少し書いておこうと思います。

ぼく個人の中に、実在する10人を思い浮かべてサービスを構想する中でまとまりきらなさを感じている部分がありました。

その理由は、10人に対するサービスの内容に個別性がありすぎて、その全体像をまとめることが難しいと思っていたからです。

具体的な1人から考えていっただけに、ターゲットを1人に抽象化することができず、結局自分たちが作りたいデイサービスは他と何が違うのか?が曖昧であるように感じていました。

ある日、そのことを話し合いの中で伝えました。それに対して、しゅうへいが話してくれたエピソードがとても印象的でした。

「そういえば、臨床2年目の時に『何でも屋』になりたいって思っていた時期があった。"理学療法士"というよりかは、理学療法士の資格をもった何でも屋さんとして、その人と向き合いたい。いまもその気持ちは変わっていないかも。その人に対して多面的に可能性を探って、何でも一緒にやってみたいと思っているのかもしれない。」

また、ちかはそれを受けて、自身の考えを話してくれました。

「従来のデイサービスは、大人数に対して同じサービスやアクティビティを提供することが多いと思う。それで楽しめる人はそれでいいけど、そうじゃない人もいる。自分は後者の人にこそ安心して来てもらえるような場をつくりたいな。」

ぼく自身は臨床経験が長いわけではないですが、2人の言葉にとても共感しました。

この話し合いの前は、十人十色の「何でも屋」的になっていたアイデアのことを、ぼくは、第三者から見て伝わりづらく他との差別化が難しいと考えていました。

しかし、この対話を通じて「大人数に同じことをする」のではなく「個人に合わせて (何でも屋のごとく) 違うことをする」ということ自体が、いま必要なサービスであり、自分たちのやりたいことなんじゃないかと思うようになりました。

ここから「だいたい、なんでも一緒にやってみる」というコンセプトが浮かび上がってきました。

じゃあ、それをどうやって具体化していくのか。必要なサービス内容は?建築/空間のイメージは?スタッフの動き方は?などなど、これを起点にして次の対話を進めています。

これからのこと

「だいたい、なんでも一緒にやってみる」
これは、今の僕たち自身にも当てはまります。

はじめてのことばかりでわからないことが多いけれど、楽しみながら一緒にやっていこう。自分たちでできないことは、プロや先人の知恵を借りながら一緒にやっていこう、という感じで緩やかに構えています。

たのしみながら、あまり無理せず、だけどちょっと頑張りつつ。

ちなみに、トップの画像は鴨川の風景です。

楽器を演奏している人、上半身裸で焼いている人、キャッチボールをしている人、寝転がってビールを飲んでいる人、ぼーっとしている人…。

いろんな人が、思い思いに過ごしている鴨川の日常の風景がとても好きです。

人と違うことをやっていても別に浮かないし、みんなそれぞれの時間を過ごしている。

こんな心地よいカオスをつくれたらいいなと思ったりもします。

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