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9月にアメリカの学校をスムーズにスタートさせるために、知ってもらいたいことーその1:キンダーから小学校低学年の英語の準備

円安が進む折ですが、同時にコロナも遠くなりにけり、ようやくビザが下りて、お仕事でアメリカに来る予定の方もいらっしゃるかもしれません。
お子様連れでいらっしゃる方は、アメリカでどこの学校に通学させるか?というのは大きな悩みの種かと思います。たくさんの疑問・質問があるかと思います。
日本から入学前にやっておいた方がいいことは?
現地ではどうやって学校に連絡を取るの?
いい学校はどうやって選ぶ?などなど、
そんなドキドキの9月入学を予定しているお子さんの保護者の方に向けて、知っておくと便利なことを、アメリカの現地校の先生目線でまとめてみることにしました。

日本でやっておいたほうがいいこと


アメリカの学校生活にすっと馴染めるように、何をしたらいいのでしょうか?

アルファベットの読み&書きを教える

上と矛盾しますが、アルファベットの読み&書きを教えてあげるのは、学校に入る前に必要だと思います。
いや、必要です。大変だと思うけど、ぜひやってほしい。
私の娘は、4歳だったので、まだ日本語も読み書きができませんでした。私もその頃、外国人の子どもたちがどうやって英語を教えてもらうか、想像すらしなかったので、特に何もしませんでしたし、保育園レベルでは読み書きをしっかりやるかどうかは園次第です。
ネイティブのお子さんたちも、一緒にアルファベットの書き方から習いましょう、というレベルなので、特に困らないと思います。

しかし、小学校、つまりキンダー以上は話が別です。
少なくとも、これはやっておくと、学校に入ってからお子さんが楽です。

1)アルファベットを書けるようにする


できれば、大文字、小文字が分けて書けたら素晴らしいです。
あと、自分の名前を、アルファベットで読めて、書けるようにしておくといいです。
ちなみに大文字、小文字は、小さい子にはbig alphabet, small alphabetと教えますが、もっと学年が上がると大文字はupper case letterもしくはcapital letter, 小文字はlower case letterと教えます。

このK5Learningというサイトには、無料でプリントアウトできるワークシートがたくさんあります。私も、実際の学校の授業で使うこともあります。

★アルファベットの「書き」を覚えていく理由

アルファベットを覚えておく理由としては、キンダーに入った時点で、ネイティブのお子さんたちは、だいたいアルファベットを覚えており、それをベースにして授業が進んでいくからです。
ESLやELのクラスでも同じで、母国語がアルファベットを使う国だと、すでにアルファベットが読める、書けるお子さんが多いです。
ESL /ELクラスの中に、アルファベットが出来る子の方が多ければ、先生はそちらに照準をあてて授業をします。つまり、できている前提で読み書きをどんどん先に進めます。
レベル別に授業をする余裕があればいいのですが、それは学校や先生の方針、その学年の子どもたちの人数やレベルで変わってきてしまいます。
アルファベットができないと、入った途端、みんなのやっていることがわからない状態になります。
もちろん、ネイティブのお子さんでも、個人差はありますから、アルファベットが頭に入っていない場合もあります。でも、まったく英語が聞けない、話せない、の状態の時に、読み書きが先取りできていると、「アメリカの学校でも私のできることがある」という自信にもつながります。


2)アルファベットの名前がわかる

Aは「エー」、Bは「ビー」です。おなじみ「きらきら星」のメロディのアルファベットソングでおぼえるといいですね。

必ず、英語版のアルファベットソングを聴きましょう!なぜなら「LMNOP」のところが、日本版と違って「おお〜、ネイティブ!」だからです。最初は何度聞いても「ネノネノピー」としか聞こえませんでしたが、そのうち聞き取れる&自分でも歌えるようになります。

3)アルファベットを「読める」ようにする


えっ、アルファベットの名前を言うのと、アルファベットを読めるって、違うの?」と思われたそこのあなた、あなたの疑問はごもっともです。

日本語は、1文字が1つの音しか表しません。
「あ」といったら、「あ」という一つの音しかもちません。「あー」の「ー」の記号で、音を長く伸ばすんだな、と使い分けるくらいです。

ところが英語は、1つのアルファベットがいくつもの音をもちます。

例:「a」は「apple」だったら「あ」に近い音なのに、「make」のときは「えい」に近い音になります。Aは、「あ」だったり「えい」だったり「ぅ」(小さい「う」みたいな音)するのです困ります。

と思うと、たまに、違うアルファベットなのに、同じ音をもっていたりします。

例:KとCは「ク」という同じ音を持ちます。「キャット」と言った時、子どもたちは「Kat」と書いたり「Cat」と書いたりします。同じ音ですからね。これはスペリングを覚えるしかありません。

これら、英語の音の一つ一つを身につけて、スムーズに読み書きができることを目指すのが、アメリカの学校の低学年の国語(英語)のカリキュラムの大きな柱になります。
これらはphonemic awareness(フォネミック アウェアネス:音素認識)とかphonics(フォニックス)といいます。

これはもちろん、ネイティブの子どもたちも2年生くらいまでは、国語(英語)の授業でしっかり勉強します。
すべてのphonemic awarenessやphonicsを系統だってご家庭で教えるのはちょっと難しいかもしれませんが、このビデオを繰り返し聞いて、アルファベットに「読み方」があるんだなー、この単語はこのアルファベットを使ってるんだな、くらいまでを頭に入れておくと学校に入ってからが楽かもしれません。


日本でやらなくても良かったかなと思うこと

子どもを英会話教室に通わせる?

私が家族での渡米が決まった時、上の子は4歳、下の子は1歳でした。2人が通っていた保育園には、週1回、アメリカ人の先生が来て、英語を教えてくれていました。
何を教わっていたかは不明ですが、恐らく簡単な単語をやフレーズを先生の後に繰り返して言う、という感じで、4歳の子どもたちは「お勉強」とはとらえていなかっただろうな、と思います。
もちろん、英語で話すなんて、親もまったく期待していませんでした。

何もやらないのもどうかと思い、英語のマンツーマンの先生に週1回来てもらって、色の名前や動物の名前などを、絵を描いたり本を読むことを通して教わりました。

しかし、渡米してから気づいたのは、週1回の英語のクラスでは、まったく足りなかったということでした。4歳の子どもとはいえ、あちら様はネイティブスピーカー、子どもはまったく、まったく、理解できなかったようでした。

もちろん、YouTubeなどで見かける、おうち英語などで、ばっちり英会話をマスターしているお子さんは別です。生まれた時から時間をかけて、身につけた英語ならきっと役にたつでしょう。しかし、付け焼き刃的に通う子どもの英会話教室は、それほど大きな効果はなかったかなと思います。

*でも、帰国子女としてのご自身の体験談を話してくださったのが印象的でした。三姉妹でまったく日本人のいない小学校に入学されて、それは大変だったということです。特にお姉さんが馴染めなくて、学校に帰ってから毎日吐いていたというほどのストレス。週末に家族で楽しく過ごすことが、本当に大事な時間だったということでした。
このお話しで、私の中で初めてアメリカにおいての子供の生活にに、危機意識が芽生えたかもしれません。あれ・・・、子どもだからってアメリカ生活楽勝じゃないのかな?と。そういう意味で、この家庭教師の先生に出会えたのは、本当に良かったと思います。*

9月にアメリカの学校をスムーズにスタートさせるために、知ってもらいたいこと(キンダーから小学校低学年編)ーその2に続きます。

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