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人生LIVE報告 ②

イントロは前回をご参照願いたい。

キャリアアップの道順が示されていない我が社に於いて、概ね年功序列の昇格人事に嫌気が差して辞めていった同僚も少なくない。

自分も性格上「ほどほどにやる」というのが性に合わず、忖度なしに上司には意見してきたし色んな提案もやってきたが社内に変化は起きなかった。
トップに意見が届くことはなく、ほとんどがその途中で消えていく。

「気持ちはわかる。まぁ、もう少し様子をみてみよう。」

これが我が社に蔓延する思考。

言い方を変えると「聞くだけは聞く。だが変化はさせない」なのだ。

述べて無かったが、そんな中で自分は国内を幾つかに分けたエリアのマネージャーをしている。

事件

covld-19が五類に移行された2023年5月から、病院は外来患者が増えており自社製品の受注数も増加していた。

前年比で言うと国内では20%アップが見込まれた。そんな折に事件が起こった。

我が社と同じ分野の製品を供給しているライバル社の製品がいきなり供給停止となった。理由は様々あろうが、海外の紛争やそれに伴うパーツメーカーの操業が止まったのが大きな要因と思われた。

我が社はだいたい国内の需要の50%程度を賄っているが、それがいきなり70%程度カバーしなくてはならない状況になった。当初は正直「棚ボタだな」とほとんどの営業社員は思っていた。

ところがである。その他社が供給停止となったのと全く同じトラブルが我が社にも起こったのだ。製品を生産したくともパーツが届かない。

社員全員が青ざめた。我が社の供給停止をカバーできるメーカーなど国内にはもう残されていないからだ。

パーツの仕入れ先を探して、工場の機械をフルで稼働させても国内だけではなく北米や欧州、台湾などのオーダーも急激に増えてしまいどうやっても製品が足りないのだ。

私に関して言えば、事前になんとなく嫌な予感がしていたため担当エリアの大規模顧客にお願いし3ヶ月分の買い置きをして頂いていたため国内で唯一まともに供給できたが、その他の国内は阿鼻叫喚の様相になった。

こう言う時に最も大切なのは原因究明ではなく、まず最善策を提示し全国の社員に一律の行動を指示する事だ。

ここで我が社の最も悪い側面が露呈した。

我が社始まっての危機に於いて「策を立てて指示を出せる人間が居ない」のだ。

弾が無くなった戦艦に、実は艦長も操舵士も居なかったのだ。ここから社員全員が心をすり減らし、蝕まれる日々が始まった。

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