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アイスコーヒー / 短編小説その1

アイスコーヒーは、まずマグカップに氷を入れる。2つから3つが理想。
氷とカップがぶつかり合う、あの乾いた音が好きだ。

氷は家の冷蔵庫で作ったものでなく
コンビニで空気の入ってない綺麗な透明な氷を入れるのが
ちょっとしたこだわり。

そこにコーヒを注ぎ込むと、氷がパキパキと音をたてて割れていく。
透き通った氷が黒く透き通った色に変わっていく。
実際氷の色が変わるのでなく
コーヒーに包み込まれるようにコーヒーの色を映し出していく。

まるで世の中に、順応しようともがきながら
それを微塵と見せない人間の姿だ。

アイスコーヒーを飲んでも今年は夏のニオイがしない。
そう
今年は夏のニオイがどこにもしない。
そう思いながら、口の中はアイスコーヒーの味で満たされていく。

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