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あなたは生まれ変われるとしたら、ナニになりたい? / 短編小説その11

「耳掻きになりたい」

私はそう答える。

私と同年代の女子が好きそうな会話「if」
もしもな話でよくある、
生まれ変わったら何になりたい?
という、、、
誰も何も得もせず、意味のない質問。

「私は、私のままがいいかな」

輪廻転生説としては、一番現実的な哲学論だね。

「男になって、男の気持ちになりたい」

その答えを出した時点で
20後半までこいつは、男たちに弄ばれる人生を送るだろう。

「そうだな、北川景子になりたい」

北川景子になれないから
お前という人生を歩んでいるんだろに。

女子たちの答えに
心の中でツッコミを入れていく。

「タカピーは?」

不意に、
読書をしている私に質問が投げられた。

あたかも私の心のツッコミが
聞こえてたと言わんばかりに、
あんたならどうするの、、、?と。

「何の話ですか?」

「さっきからね、
生まれ変わったら何になりたいかって話しててさ
タカピーなら何になりたい?」

「…」

少し間をおいて、私は真顔で答えた

「耳掻き」

一瞬空気が止まるというか
フッと天狗でも通ったような
不思議な風がよぎる。

私は、一番に空気をよみ「理由」を説明する。

「理由はちゃんとあるわ。」

私は少し早口で話すをすすめる。

「大好きな人と、一生一緒にいれるの。
そして、
彼は定期的に私を使う。
綿棒なら一回使われて、終わり。
捨てられるわ。
でも耳掻きなら、
捨てられることがない。
大好きな彼のナカに入れるの。」

北川景子になりたいと言った女が
質問をしてくる。

「でも、その人が結婚したらどーするの??」

とてもいい質問だ。

さっきの心中のツッコミは撤回、
あなたは生まれ変わり続けて
100回目ぐらいにきっと、
北川景子になれるわ。

「そうね。結婚したとしたら、、、
耳掻きは夫婦、家族で使うでしょ?
彼の大好きな人、お嫁さんね。
屈辱的に使われるの、、、
でも、そのあとに。
その女じゃ入れない、彼のナカに私だけ入れるの。
すごく快感だと思わない?」

私は、一息つき
質問される前に答える。

「結婚したらモノを買い替えたりとかして、捨てられるんじゃないの??
って思うでしょ。

捨てられなければいいのよ。

男なんて簡単よ、
一言、、、同じ言葉でもたった一文字変えるだけで私を捨てることなんかできないわ。」

「私はささやくの、
耳掻きで彼のナカに入ってるときに。気持ちいいでしょ??じゃなくて
気持ちいいね。って」

私が話し終えるのを待ってたかのように
丁度休み時間終了のチャイムが鳴り響く。

今日は少し、喋りすぎたわ。

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