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ハゲガッパ茶太郎 / 短編小説その18

「今日の授業で使うと言っただろう!!」

数学の林先生が
私に向かって怒ってる。

「しっかり、明日の持ち物で書いておくようにと、黒板にの明日の持ち物にも書いてあるだろう」

「すみません。。。」
私は、下を向きながら平謝り。

「コンパスがないと今日の授業、おいてけぼりになるぞ」

「すみません。。。」

「高田は、持ち物をしっかりチェックしてるのか??」

林先生、通称ハゲガッパ茶太郎はなんでこんなに怒っているのだろう。
ちなみに
林先生はそんなにハゲてはいないが、ハゲかかってきてるだけ。
子供のつけるあだ名は、時に残酷だ。

「聞いてるのか!!」

「はい、すみません。。。」
私は、平謝りのすみませんで
どうにか事を修めようとする。

「持ち物がなくてもできる授業はあるが、持ち物を忘れるというのがダメだ!!」

おいおいおい、
そんなに「もちもの」を
連呼しないで頂きたい。
私が忘れたのはコンパスだけであって、今日全部の持ち物を忘れてきたような言い方だ。
よくよく聞いたら
もちものって
何かモフモフした優しい感じの言葉の響きだ。
私の忘れた「コンパス」は
なんかカクカクした感じがする。「ん」がついてるからか?
それにしても
もちもの=コンパスは響きが違いすぎて
一体私は何を忘れて今こんなに怒られているのか?
持ち物と言わず
コンパスと言ってほしいもんだ。

「高田、どうなんだ?聞いてるのか?」

「もふもふなものはありますが、カクカクなものは忘れました。」

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