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【第6回】価値観が多様化する時代

こんばんは。大池こういちです。

今回は職員時代に感じたことを書きたいと思います。

私が深く印象に残っている公明党の実績があります。「未婚のひとり親に税制上の優遇策を受ける」ため税制改正を実現したことです。

簡単に説明させてください。子育て中に、配偶者(夫や妻)と死別または離縁した場合、寡婦(夫)控除という税負担を軽減する制度が受けられます。収入に応じて、住民税の控除、公営住宅費や公立の保育料など軽減策も受けられます。

しかし、同じひとり親でも、未婚の場合は別でした。未婚とは、例えば、配偶者の暴力、望まない妊娠や出産など、やむを得ない事情で結婚せずに子どもを育てることを選択したケースです。全国に約10万人いるとされています。

同じ子育て世帯なのに、婚姻 or 未婚かで対応が違ってしまう。この問題を初めて知った時、政治の不条理を感じました。

なぜなのか、調べてよく分かりました。主な理由は「未婚でも妊娠が可能との考えを助長しかねない」という、伝統的な家族観があったからでした。家族という存在は確かに重要です。しかし、法律や社会のルールをつくる政治家の思考性によって、制度の狭間で苦しむ国民がいるという現実を突きつけられました。

近年、一人一人の生き方や考え方など〝価値観が多様化する時代〟と言われています。ひとりで一生を過ごすと決めた方、結婚して家族を持つことを決めた方、結婚はせず子どもを産み育てると決めた方。これからの時代、それぞれが選択する人生のあり方は、無限に存在していくのではないでしょうか。

この問題に、真っ向から挑んだのが公明党でした。地方議会で未婚のひとり親の問題を取り上げ、「みなし適用」として地方自治体が独自に制度の対象者にします。同時に国会議員と連携し、国の税制改正を強く訴えてきたのです。

税制は「与党税制協議会」で検討されます。つまり、現在なら自民・公明両党の議論において決定されるのです。

公明党は未婚のひとり親への控除の適用を力強く訴えます。しかし、自民党の根強い反対で議論が進展しない中、最終的に税制改正することで経済的な支援が実現すれば、結果的に「子どもの貧困対策につながる」と訴えます。自民党もそれならばと了承しました。

2018年の税制大綱で住民税について税制支援することで合意。翌2019年には、国税である所得税も寡婦(夫)控除を「未婚のひとり親に適用する」と決定しました。

まさに、歴史が動いた瞬間でした!政治の判断が多くの子どもたちを救うことにつながったと思います。

未だに、結婚をせずに子どもを産み育てるということには、社会の偏見が多く、理解されていないのが現実です。法律や制度で認めることにより、それらの誤解や偏見が解消され、誰もが自分らしく望んだ生き方を選択していける、そういう社会を実現することこそ、政治の役割だと感じています。

最後に、公明党本部で政策広報の仕事をしていた時、同僚と一緒に、「未婚のひとり親」の取り組みをまとめた30秒のアニメーションを制作しました。

公明党の「一人の声を徹して聴く」「地方と国のネットワークの力」「奮闘する国会議員」を描きました。本当に素晴らしい動画が完成したと自負しています。

今後、求められる議員・政治家とは、多様な価値観を持つ国民一人一人の声をカタチにするため、直接会うだけでなく、ネットやSNSなどあらゆる方法を駆使しながら、課題をキャッチすることができる人だと思います。

皆さんが政治に期待していること、また求めていること、社会に溢れるあらゆる思いを丁寧に聴きながら、誰一人として制度の狭間で苦しむ人を出さないとの決意で取り組んでまいります。

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