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宝くじで100万円に当選した時の話

7月中旬、30℃を超える暑い夏の日
汗をかきながら外を歩いていると宝くじ売り場があった。
普段からよく歩く道だったので宝くじ売り場の存在は知っていたが人生で一度も宝くじを買ったことはなかった。
いつもなら宝くじに興味を持たず素通りしていたがこの日は何故か宝くじって本当に当たるのかなと気になったので宝くじを買ってみることにした。
そんなに期待もしていなかったので300円で1枚だけ買った。
この時は1000円でも当たってそのお金でラーメンでも食べれればいいなぁくらいに思っていた。

8月下旬、もうすぐ9月に入ろうというのに暑い日は続く
気づくと抽選日を迎えていた。
あぁ、今日は抽選日か。と机の中にしまっていた宝くじを取り出しパソコンで抽選結果を確認する

1等 500,000,000円 ○○組 〇〇〇〇〇〇

5億円は残念ながら当選ならず
当たらなかったが宝くじを買うともしかしたら当たっているんじゃないかと期待してしまう。
これが宝くじの楽しみ方なのかもしれない。

それから1等の前後賞、2等賞を確認するもハズレ
1億、1千万円は当選ならず。たった1枚でそんな大金が手に入るほど甘くはないと思ったが3等を確認すると

3等 1,000,000円  組下1桁5組 170970

えっ?
自分の買った宝くじを確認する

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当選している。
しかも100万円だ。
やったーーーーー!」のような感情を爆発させることも
嘘だろ…」と信じられないという感情もない

ただ「100万円が手に入るという」という事実だけが理解できた。
しかし感情は徐々に爆発していく。

100万…100万!…100マーーーーーーーーーーーン!!!!!!

300円が100万円になった。
こんな最高なことはあるだろうか。この100万円を何に使おうか。
普通なら宝くじを買った時点で当たったら何を買おうかななんて夢を見て楽しむのだろうけど如何せん何も期待していなかったのでお金の使い道を考えていなかった。

100万円をどう使おうか。
とりあえず80万円は貯金をして…いや、ダメだ。
こういう時こそパァーっと使ったほうが良い。

まずはクーラーをつけて…もう9月はいるからクーラーはいらないか。
読みたい本にブランドの服、靴やスーツも新しくしたいしPS5とSwitchも買っておきたい。
それと寝具も新しいのにしたいし、まな板も良いやつに買い替えてよく分からない絵画も買いたいなぁ。
新しく趣味を始めるための資金にもしていいし良いホテルにも泊まりたい。100万円、この金額を一気に手に入れることが出来ると分かったら一気に欲望が湧いてきた。

そして受け取り期間に入る。
1万円以上になると銀行で受け取り
5万円以上になると指名と住所の記入
50万円以上になると本人証明証が必要になり
100万円以上で印鑑、そして受け取りまで一週間程度を要する

必要な手続きを済ませてから毎日のように通帳の確認を行った。
いつ振り込まれるんだとドキドキしながら日々過ごしていた。
手続きをしてから日課になっていた通帳を確認すると残高の欄の金額が大幅に変わっていた。
100万円が振り込まれた(写真は当時取り忘れていた)

「おっ、おっ、おっお、お~!」
身体が震える。ヤバいヤバいこんな金額見たことないぞ。とりあえず全部降ろしてみるかと思い銀行に行き100万円を降ろすことにした。
そして100万円を手にする。

あっ、ヤバい。
100万円を手にした瞬間、周りが全員この100万円を狙っているんじゃないかと思ってきた。
早く100万円を確認して現ナマに触れてみたい。だけどここで100万円を出したら奪われる。
あのおじさん、なんか僕の方をジロジロと見てないか?
僕は100万円を手にした瞬間から人を信用できなくなり足早に銀行を出た。
この気持ちは今のカイジだ。誰にも追われていないけど大金持って逃げ回っているような感覚だ。
家がいつもより遠く感じる。疲れる、なんだか喉も乾く。
喫茶店で休憩したいがここで止まったら100万円が奪われる。とにかく家に帰ることを優先した。
住んでいるアパートに到着してからも自分の部屋に入るまでも気が抜けない。他の住民に会わないように慎重に部屋に入り急いで鍵をかける。
ようやく一人になれた。テーブルの上に100万円が入った封筒を置いてから「この中に100万円が…」と噛みしめて封筒から取り出す。

分厚い。そして重みを感じる。
カイジの利根川も言っていた「金は命より重い…!」
確かにこれは紙切れの重さではない。特別な重さなんだ。
僕はお札を1枚ずつ数える。当たり前だが全部福沢諭吉が描かれた1万円札。しかしどこかに野口英世や樋口一葉、はたまた沖縄の守礼門が混ざっているんじゃないか、ちゃんと100枚入っているかも疑わしくなっている。
そして慎重に何度も数え直す。お札は100枚、全部1万円札であることを確認。

100万円だ

ウッチャンナンチャン、宝くじを当てて100万円を手に入れたよ。

100万円を手に入れた僕は欲しいものをたくさん買った、食べたいものをたくさん食べた。
お金を沢山使ったはずだけど手元には92万円残っている。
大金を手に入れたけど金銭感覚が変わらないので買い物もいつもより少しいいものを買う程度。
スーパーで値引きされていないパック寿司を躊躇せずに買うことが出来たけどそれ以外は普段と変わらない生活をしていた。
残ったお金はどうしようか。これからの人生もどう転ぶか分からないからやっぱり貯金しておこうかな。
100万円を手に入れてやっぱり僕は小市民なんだなぁと再確認できた。

ということを宝くじを買ったので100万円当たんねぇかなと妄想した。

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