あいつは春雨スープで停学になったらしい

高校生の時の話、学校内でやんちゃというよりはヤバい雰囲気を出して学校を支配しようとしている奴がいた。
ヤバい雰囲気というのは常に声を低くして目をトローンとさせてちょっと前かがみでのそのそと歩き、高校に入った時に放った一言は「俺は番長になる。」
そんな番長は周りを威嚇するように「ｵｳｯ、ｵｳｯ」っとオットセイのような鳴き声を出しながら廊下を歩いていたりした。

そんな番長は周りから一目を置かれたいため、他人とは違う行動をしたがる。
僕の通っていた高校では学校でカップラーメンを食べるのが禁止だったがそこは番長、校則なんてクソくらえ。
番長は春雨スープを持ってきたのです。番長は頭がキレるなあ。カップラーメンは禁止だけど春雨スープが禁止なんて校則に書いてないもん。
学校の勉強なんて意味がないって言ってたけど番長はこういうところで頭の良さを発揮するんだねぇ。
だけど番長、春雨スープを食べるにはお湯が必要だ。高校にお湯を沸かすところなんて職員室ぐらいしかないぞ。だけど春雨スープを職員室に持っていったら先生に何を言われるか分からないぞ。
すると番長、カバンの中から何かを取り出した。魔法瓶だ。
番長は事前に魔法瓶にお湯を入れてきたのだ。凄いぞ番長、春雨スープを食べる為に自分でお湯を用意してくるなんて。
そして番長は春雨スープを食べていた。

次の日番長は停学になっていた。
まさか春雨スープを食べたことがバレて停学になってしまったのか。
やっぱり春雨スープはアウトだったのか？と友達の間で話題になった。

番長の停学の理由はいじめられっ子の椅子に痰を吐いたからだった。