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低価格マイクを真面目に使って見る

今回はコンデンサマイクでは最安値に近いBEHRINGERのC1を真面目に使ってみようと思う。このメーカー、「平均価格の半分の価格で同じクオリティのものを」というなかなか強気な姿勢を崩さずにいるメーカーで、低価格と言えば!という言葉の代名詞にもなっている。マイクに限らずミキサーなども他のメーカーに比べると明らかに安い

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定価という概念はないものの、基本的には5000円程度で入手できる。

今回はこのマイクと低価格普及帯で一番人気のaudio-technica製AT2020と比較してみる実験。

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基本的に入手しやすいことを重視した実験になるので、オーディオインターフェイスはevo4を使っている。マイクプリなど環境を整えていけばいくほど、今回出てくるような小さな差は大きな違いになってくる。

高めの音域の歌での比較

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これはAT2020で録音したもの。

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こちらがC1での録音

聞いた感じだけでいうとC1の方が高音の伸びがある。細かいニュアンス的な部分で言うと正直そこまで差は感じられない。ただ、高音のクリアさに関してはC1の方がいい。

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これはわかりやすくするために二つを重ねたもの。ピンクがAT2020でグリーンがC1になっている。これを見ての通り、大きく差があるほどではないが高音部分にあたる3000Hz以上では明確にC1の方が音を拾っている

個人的にはC1の高音が強いと言うよりも、AT2020の高音がやや落ち込んでいるという認識だ。通話でも使われることが多いAT2020の特性として、通話帯域に注力している可能性があるかな、と。

低めの音域の歌での比較

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こちらはAT2020で録音したもの。

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こちらC1。画像の背景を次の重ね合わせのためにしておいたので、早速重ねて見る。

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ピンクがAT2020でグリーンがC1になっている。
見ての通りかなり違う。AT2020の方が日本語で使う帯域が強く出ている。つまり多めに拾っているといえる。通話に向いているという推察はそこまで間違っていないはずだ。幅がわりと違うが、同じ人間が同じように歌っているものの多少の誤差は出る。物凄く特性に差があるわけではないが、見た目と違って聞いた感じでは高音部分ほどの差は感じられない

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波形で見て見る。上がAT2020で下がC1になっている。声を低く出している部分は特に波形の大きさに差が出ている。低音というか人の声が自然な帯域に関してはややAT2020の方が拾いやすい。実際に聞いていても低音部分はAT2020の方が強いように感じる。

いい悪いではなく違う

ひとまずわかりやすく違いが出たことで実験した甲斐もあったと言える。それと、金額を考えると C1はかなりコストパフォーマンスが高い。通話と歌の録音と特性が違うことさえわかっていれば、両方持っていれば選択肢は広がるし、使い分けもできる。どちらかしか買えない場合であれば、自分の必要な方を選べばいい。

音源の比較に関しては実験動画をこちらに用意したので、確認してみていただきたい。
https://note.com/oichan_d/n/n453b8033cd32

教える立場なのでできる限りはワークショップなどで教えた内容を説明していこうかなと。地方の人やワークショップに事情があって参加できない人たちへのサポートが今後もやっていければと思っています。