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床と巾木を替えて令和の部屋に変身させる方法

3月23日に投稿した「賃貸物件のリフォーム、いくらまでかけるか問題」で登場した賃貸物件、21年目の築年数が滲み出ているのは水廻りだけじゃありません。

赤みの強いマホガニーとチェリーを足して2で割ったようなフローリングと建具のくどい色のコンビは、入室した途端に「うっ!」とくる圧迫感に襲われ、脂ベトベトの中華料理をテーブルいっぱいに並べられて「さあ、召し上がれ」と言われた時に胃液が上がってくるような感じです。

もちろん今でもダーク系のコーディネートは健在ですが、色の種類や光沢具合が21年前とは別物です。

下の写真がその部屋ですが、実際は写真以上にテカテカ・ギラギラで、くどさ全開です。
やっぱり赤みが強いのがマズイのかな。

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何とかしないとこのままだと次の入居付けに苦労するのは目に見えているので、どうすればコストを抑えて令和の部屋に変身できるのかを考えてみました。
建具はそのままで、変更するのは床と巾木のみです。

ちなみに、今回カラーリングを検討するにあたっては、建具などの内装材メーカー大手の DAIKEN がウェブ上で公開している「住宅向けシミュレーションツール」の中の「インテリアイメージウェブ」を利用させてもらいました。
シミュレーション画像の中の家具は、一番人気で売れ筋のナチュラルカラーを選択しています。


1)床はそのままで巾木だけを替えてみる

下のシミュレーション画像ではそこまで再現されていませんが、床の色が暗いと光の反射率が落ちるため、明るい床色の部屋と比べると部屋全体が暗く狭く感じます。

また建具や床と同じ色の巾木の場合、床と巾木が "たらい" の底と縁のように見えてしまい、その存在感のせいでうるさく野暮ったくなります。
今の新築分譲マンションでは圧倒的にホワイト巾木が主流です。
ホワイトにすることによって見切り位置が床の延長線上になるので、部屋がスッキリと広く見えるからです。
巾木を交換するだけでもそれなりの効果はありますよ。

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2)フローリングを明るめの流行色にしてみる

今流行の少し明るめの色にしてみました。ペールグレー色です。
巾木を建具合わせにした場合とホワイトにした場合のシミュレーションもしてみましたが、床が明るくなると巾木の存在感が増しますね。

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3)フローリングをさらに明るくしてみる

フローリングの色をホワイトアッシュにしてみました。こちらも人気の色です。
床が白っぽくなった分、建具とのコントラストが一層強くなりました。
建具と同色の巾木はより強調され、私はかなり違和感を感じます。

これぐらい明るい床色でも、建具の色をアクセントカラーとして捉えれば悪くないですが、どちらかと言うと若い世代に受けそうです。
それに対して2)の落ち着いた色合いは、少し上の世代に受けるかなと思います。

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この部屋のターゲット層は夫婦二人住まい、または単身転勤族。
2)でも3)でも良さそうですが、広めの1LDKを借りてくれるのは比較的余裕のある上の世代なので、2)にすることになりそうです。


ところで巾木の色まで気にしてないから職人任せ、なんてことになっていませんか?
建具も床も明るい色なのに、何故か巾木だけダークブラウンにしてしまう職人もいます。
もちろん良かれと思ってのことでしょうが、全ての職人が最新の流行を知っていてセンスが良いとは限りません。
あなたの部屋の巾木はどうですか?
巾木も部屋の印象を左右するポイントになることが、このシミュレーションで理解してもらえたと思います。

床の貼り換えを検討中の大家さん、そしてこれから自宅のリフォームに取り掛かる施主さん、ぜひチェックしてみてくださいね。

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