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賃貸物件のリフォーム、いくらまでかけるか問題

この記事のキャッチ画像は2001年に竣工した、今年21年目の分譲マンションの写真です。
ユニットバスと洗面化粧台はデザインこそ古いですが、1LDKながら当時のファミリー向け分譲マンションと同じグレードの仕様なので、そこそこいい物が入っています。

けれどもよく見ると白い樹脂部分がかなり黄ばんできていますよね。
蛍光灯の紫外線による変色ですが、漂白剤の影響もあるのかもしれません。
ここの設備の入れ替えをするかどうか、ただ今検討中です。

現状、どちらも機能的には問題ありません。
だけど見た目がねぇ・・・よろしくありません。
デザインが古臭い上に黄ばんでいるとなると、私がターゲットとする「住にこだわりのある入居者」を魅了するにはかなり無理があります。
私が内見者の立場だったらこの部屋は避けますね。もっと新しい設備のところがいい。

築浅物件と肩を並べる家賃を戴こうとすると、設備のアップデートは必要不可欠です。
とは言え1418サイズのユニットバスと90cm幅の洗面化粧台を交換するとなると、交換費用はざっと70~90万はかかりそうです。家賃から管理費や修繕積立金、月割りの固定資産税を引くと手残りは8万円強。実に10ヶ月分の収益に相当します。これ以外にクロスの貼り替え費用もかかります。

さて、どうするか。

世の大家さんの経営方針はだいたい次の2つのどちらかです。
一つは、できるだけ修繕費を抑えるために設備機器が古くなってきても可能な限り修理で対応し、見栄えが悪くなったら家賃を下げて入居者を確保する。
もう一つは、壊れる前であっても古くなってきたものから順に交換し、他物件に見劣りしない競争力を維持することで家賃を下げずに高属性の入居者を確保する。
私はというと「自分が住みたいと思わない部屋は貸さない」のが経営理念なので、後者になります。

だからと言って、費用をかけすぎると事業として成り立ちません。この辺のバランスが実に難しい。

今回のようなケースに直面した場合、いきなり設備の交換するのではなく、目立つ部材の交換で見映えの悪さをカバーできないかを考えてみます。


先ずはユニットバス。

最初に気になったのはドアのハンドル土台部分の変色。こちらはパナソニックのパーツショップ(ネット通販)で代替品を入手できそうです。コストは6千円程度。
ミラーキャビネットも黄ばみが気になりますが、パナソニックに確認したところ特注品扱いで部材費10万円。諦めました。
次に洗い場のシャワーホースとシャワーフック。こちらはクロムメッキのメタル調のものに交換して高級感を演出します。コストは1万円程度。
洗い場のミラーは下側が腐食して黒く変色しているのでこれも交換。コストは工賃込みで2万円程度。
浴槽側の水栓ハンドルも黄ばんでいます。ハンドルのみの交換なら2千円程度ですが、給湯器に自動湯張り機能が付いているのでこの水栓はそもそも不要です。この機会に水栓を撤去して止水栓に交換する方が良いかもしれません。

計4万円程度の部材交換でイメージは少し良くなりそうです。


次は洗面所。

一番気になるのは壁面収納棚。かなり黄ばんでいます。
パナソニックの代替品を探してみましたが、現行のものは若干縦長になっているためそのままスッポリ交換とはいかないので大工仕事が必要です。材料代と工賃で3万円程度。
次に水栓の黄ばみ。水栓とハンドル、引き棒をメタル調に交換すれば印象は変わります。コストは部材と工賃で3万円。

こちらは6万円程度でイメージが改善できそうです。


ユニットバスと洗面所で10万円。黄ばんだ部分はこれで交換が完了しますがデザインの古臭さは残ったままです。
実は2003年頃にユニットバスのデザインが大きく変わりました。今と同じような鏡面パネルやアクセントパネルが出てきたのがこの頃です。
そのため、築年数は数年しか変わらないのに旧デザインというだけで古臭く安っぽく見えてしまいます。

洗面台はユニットバスほど劇的にデザインが変わったわけではありませんが、今の洗面台のカウンターはどれもホワイト色の一体成型なので、写真のようにカウンター部分が青みがかっていてボウル部分が白といったコンビ色のものは時代を感じます。

さあどうする!?

古さをごまかしきれないのを承知で部材交換で凌ぐか、この際入れ替えしてしまうか?



ここで部材を交換した後の水廻りを頭の中でイメージして、もう一度部屋を内見する入居希望者になったつもりで考えてみます。

「うーん、同じ家賃を払うなら、やっぱり古い設備は避けたいなぁ。特に体が直接触れるユニットバスは新しい方が良い。」

高級感を売りにしていい家賃を戴こうとするなら、やはり入れ替えするのが正解ですね。

この記事を書いているうちに気持ちが固まってきました。

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