「医療職は給料が高い」は本当かを調べて見た
私は、ある学校の非常勤講師として、理学療法士の学生(=今PTを目指している方々)に会います。アンケートや質問をさせてもらっているのですが、その意見がとても貴重でじっくり読みます。
その中で、「どうしてPTになろうと思ったの?」という質問をしたら
「医療系は給料が高いから」という回答がありました。確かにそんなイメージありますよね?在職者から、現状をお伝えすることも大事だなと、そして答えるなら、返答をした人と同じくイメージで答えてはいけない!と思い、調べました。
理学療法士・作業療法士はどうなの?
今回は情報源として、Clabel(クラベル)さんを参考にさせていただきました。
PT・OT給与は男性は平均「以下」女性は平均「以上」
より詳しくは、以下のサイトをご覧ください。
先に結論から言いますと、男女で平均より高いか低いかが分かれます。以下の図参照。(左が男性、右が女性の平均年収の推移。緑線がPTOT。黒が平均)
給料が高い=平均よりも高いとするなら、
女性はたしかにそうですが、男性はそうとはいえないことになります。
医療職としては医師・薬剤師・看護師に続いて〇位
では、医療系の資格ごとに見てみます。
こちらのランキング1~129位までに乗っていた、病院で働く仕事で見ていくと
理学・作業療法士は上から6番、下から5番目という順番です。
医療系の中での順位)職種 【全体での順位】
1)医師 【2位】
2)薬剤師【56位】
3)エックス線技師【29位】
4)看護師【36位】
5)臨床検査技師【46位】
--------------(平均年収)436万
6)理学療法士・作業療法士(PTOT) 【72位】
7)准看護師【76位】
8)介護支援専門員【80位】
9)栄養士【101位】
10)看護補助者【119位】
(図は左から縦に職種ごとのランキング。赤枠が医療系の職種。点線が平均年収ライン。)
また1つ上の臨床検査技師さんは平均「以上」ですが、理学・作業療法士は平均「以下」というボーダーライン付近でもあります。
これを踏まえると、医療系=医師、薬剤、看護師とか、コメディカルといわれる職種でエックス線技師・検査技師さんをイメージすると、確かに平均より給料高いといわれますが、栄養士・准看護師・介護支援専門員(ケアマネジャー)など、そうでないことが一般的な職種もあると考えられます。
「医療系」は高順位。だけど…
業界別のランキングというのもありました。そこでは6/20位と高いのですが、注意点があります。
医療業界とは
・医薬品、健康食品
・医療機器、医療機材
・研究、検査、試験
CLABELにおける医療業界とは、上記の業種を含む、媒体を通じて世の中に情報を発信する産業を指します。
ということで、医療系の資格を持って、医療現場で臨床(患者さんに向き合う)のとはちょっと違うかもしれません。
PTOTになれば安心の時代ではない?
僕は現場に出ていると、「お世話になる人は多いし、これからも必要な仕事だよね」と言われます。結構よく言われます。
しかし本当にそうでしょうか。
理学・作業療法士として学んだこと、持っているスキル自体はとても有益だと感じていますが、だから高給とりになれるかは別問題だと考えています。
自分の資格の給与ベースを知る事と同じくらい、大切なこととは?
僕自身は、20代で部門の管理者を任されることがありました。そこでお金について実体験として学んだことがあります。
現場に出ている時よりも、手当・昇給で給料は増えましたが…
育児との両立が非常に厳しかったです。
これはもちろん、僕の力不足が大きかったのですが、
仕事と家庭の両立を「そのまま求めたら、壊れる」と感じました。
何のために仕事をしているのか。本当はどんな人生を過ごしたいのか。
そのために、自分には何ができるのか。どんな選択をしていくか。
自分自身のリハビリテーションとして、悩み・考えに考えました。
結局どうしたかというと、希望降格し、暫くしてその会社は退社しました。
降格=能力のなさを認めたような感覚もあり、苦しさもありました。
しかし、能力のなさではなく、役割の変更という見方もでき、自分の中で受け入れも徐々にできるようになりました。
給料は下がりましたが、現状生活には困っていません。さらには、家族との時間を確保でき、仕事としてもほぼ自分の希望する形で動くことができて、幸せすぎるくらいです。
給料はもちろん大切です。様々な理由で早く、大きく稼ぎたい人もいるでしょう。
ただ、稼ぐこと以上に、稼いだ先(得たお金で何をしたいのか)をイメージすることも大切ではないでしょうか。
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