見出し画像

106 『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』、第7話「嵐、来たる」、感想

 政近くんと、有希ちゃんに仕える綾乃ちゃんの会話で始まった今回、ようやく政近くんと有希ちゃんの関係が詳しく知れました。この関係は実の兄妹と、もちろん二人それぞれの説明から私も分かってたのですが、政近くんは久世、有希ちゃんは周防と、苗字が違ってたので何故だろうと疑問に思ってたのです。そしたら有希ちゃんとの会話で、モノローグとして語ってくれました。そして重いものを持ってるんだと(この時点では匂わすだけだったけど)、意外に物語の正統派の主人公だと驚いたのでした。
 そして休み時間の教室でのアーリャさんのコテコテのギャグ表現の後、有希ちゃんに綾乃ちゃんが、政近くんとの会話を報告。兄の政近くんの前では徹底的に妹キャラの有希ちゃん、女王様の卵かと思えるほどの風格。しかし「有希様は、この世で最も大切な人間に変わりはない、と」という報告に、さすがの女王様気質も狼狽えたみたい。尤も窓を開けて思いを飲み込んだから、自己抑制も大したものかと。でもこれで有希ちゃんの政近くんへの想い、只ならぬことが改めて示されました。
 その後、有希ちゃんは試すようにアーリャさんと指しでポーカー。しかも生徒会室、生徒会の面々が揃っている中で。はったりが出来る有希ちゃん、顔に表情がすぐ出るアーリャさん、これからの展開のキーになると思いました。そして飲み物が切れたため、政近くんとマーシャさん、つまりアーリャさんのお姉さんと飲み物を買いに自販機へ。その会話、道すがらから清々しくも重くもあり、「ライト」ノベルとは到底言えない内容でした。もちろん最大限の褒めです。
 そして最後の場面、アーリャさんは谷山沙也加という女の子に呼び止められる。アーリャさんも中等部で有希さんと生徒会長の座を争ったと覚えてたけど、その彼女から難癖にしか思えない発言が出る。すぐに政近くんが割って入るが火に油を注ぐ形になり、学生議会という挑戦状を叩きつけられる。
 こういう展開なんだと驚いた次第。国際問題とは関係ないとはいえ、これは政治そのものと思いました。敵を貶めること、言論で対決すること、衆目で喧嘩すること。ここで象徴的に示した三点、どれも政治そのものの活動であり運動と思えるのです。
 すると学校/学園は自治体、国家、それこそ国際社会の縮図。初回ではロシデレ、ここまで問題を大きく捉えられるドラマになるとは思っても見ませんでした。総じてロシデレの核心が垣間見え、ドラマとしても転換点と言える凄い回でした。初回論を展開した五作、『疑似ハーレム』とともに各話感想はやらないでいいかと思ってたけどとんでもない。ドラマ的には今季一番かと思うほど、目が離せません。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?