頁13「なんですか、それ」
勝手にしてきた失恋はいくらでもある。
じぶん勝手に好感を抱き、なにかのタイミングであっという間に打ち砕かれる。
寄せては返す波のように、失恋をしてきた(しすぎ)。
いつも絶妙においしい差し入れをしてくれる大きなひとがいた。
「僕もうこれじゃないとダメで」と、聞いたこともないヨーロッパのチョコレートの詰め合わせだったり。じぶんではきっと一生買わなかったろうなという、渋い黒糖かりんとうドーナツ棒(?)みたいなものだったり。
そしてあるときに、「コート忘れましたっ」と戻ってきて