ポテトサラダ事件で思うこと。

こんなツイートが世間を(ママ界隈を?)賑わせました。

「え?高齢の男性はその女性の父親じゃなく他人?!」

…他人ですね。きっと。

お惣菜売り場にいながら、お惣菜を買おうとする他人に文句を言うなんて、もうその場所に存在している理由がわかりません。

アナタナゼココニイルノデスカ?


市販のポテトサラダはとっても美味しいです。

私は北海道の実家近くのスーパー「アークス」に置いてあるポテトサラダと、東京・東新宿の「まんま」というお店の燻製ポテトサラダが好きです。

どちらの味も自分では作れません。

それなりの味にはなるけれど、そもそもポテトサラダって作るのに時間がかかりますしね。

私は「じゃがいもの皮をむく」ことが、料理の工程で嫌いなことベスト3に入ります。

だからってやらないわけではないですが、できれば避けたいです。

そもそも、仕事帰りに娘を保育園に迎えに行って、買い物して帰って、そこから悠長にポテトサラダなんて作っていたら、お腹が空いた娘の怒りが爆発し私の足にしがみ付いて泣き叫ぶことでしょう。

泣き叫ぶ娘に「待って!待って!」と言いながら皮を剥き、加熱して、粗熱をとり、ベーコンやその他の野菜、調味料を入れて混ぜる…。それまで娘は泣きながら「ママーママー!」と言い続けるでしょう。こちらも気分良く作ることは到底不可能です。

そうまでして作るポテトサラダを「愛情がこもっている」と思うのなら、ちょっと私とは人種と文化が違うのかな…と思わずにいられません。

そもそも「ポテトサラダくらい」と言うなら、どこからだったら人の手を借りてもいいの?

私はこれからも、アイスも豆腐もパンもベーコンもうどんも買います。

パンはたまに焼くし、作ろうと思えば作れるだろうけれど…売っているものはどれも美味しいし、自分で作るのには手間がかかりすぎるし…うん。買います。


きっと高齢の男性が若かった頃と比べて大きく変わった点の1つに「時間を買う」「手間を売る」ビジネスと顧客が増えたことが挙げられます。

携帯電話もパソコンもそう。

コンビニや家電も。

レトルト食品も家事代行も。

時代が求めるから増えているのです。


「手作り料理は愛情がこもっている」

気持ちはわかります。

「誰かが自分のために作ってくれた。」そう思うだけで嬉しいし美味しいです。

だからと言って、自分以外が作った物に頼ることが愛情がないということにはなりません。


汚れ物を洗濯板でゴシゴシやって洗わなければ、そこには愛情がないのでしょうか?

洗濯機だって何でも詰め込んでピッではありません。色物を一緒にして絶叫したり、開けてみたら粉々になったティッシュの大群に遭遇したり、泥だらけの服をオキシクリーンでつけ置きして、手が荒れることだってあります。

1枚1枚畳みながら、汚れの具合を見て「これはどろんこ遊び用」「これは思いっきり汚して食べてもいい食事用」と場面ごとに種別して収納します。泥だらけで遊んだり、手や口を真っ赤にしながらパスタを自分で食べる娘を想像して幸せな気持ちになります。

たしかに衣類は洗濯機が洗ってくれたけれど、愛情たっぷりだと自信を持って言えます。


私は娘の離乳食を進めるにあたって、市販の物もたくさん使いました。

初期はコープのおかゆやすり下ろした冷凍野菜など、中期以降はレトルトの離乳食。

あの頃に母が言ってくれた一言が、私の心を軽くしてくれました。

「あっち(離乳食を販売している会社)はその道のプロだからね。1年中どうやったら美味しくて栄養のあるものができるかって考えている人たちなんだから。昨日今日勉強し始めた素人が優れているだなんて思わないで、どんどん頼って楽にやりなさい」

母乳からミルクに切り替える時も「母乳のほうがいい」なんて一言も言わずに、胸が張り腕も上げられない状況の私に代わり、断乳中の2週間はほとんど娘と寝て、夜中のミルクも対応してくれました。

断乳を終えて、父とラーメン(乳腺炎の原因となるため、甘いものや脂っこいもの、おもちなどは全てNGでした)を食べに行った時に「頑張ったな。お疲れ様」と注いでくれたビールの味は今でも忘れられません。

私には、私の決断を応援してくれる両親がいました。でも状況が違えば…東京で娘を産んでいたら…と考えると、そうやって追い詰められているママはたくさんいるのだろうと想像できます。


虐待や育児放棄…そんなニュースを見るたびに胸が締め付けられる毎日です。

酷すぎる、言葉がでない、それはそうです。

でもそんなことを言っていても何も変わりません。

大切なのは親が「余裕」を持てることだと思います。本人や家庭の問題もあるけれど、周りや社会がその余裕を奪ってしまうのなら、それは本当に無駄で意味のない悲しいことです。


買って帰ったポテトサラダを付け合わせにごはんを食べた後、それを作るはずだった時間でその親子が楽しく遊べていたら、それは娘ちゃんにとってとても幸せな時間なはずです。

絵本を読んで喜んでいる顔を見て、寝る前にはたくさんぎゅーっと抱きしめて、ママも最高に幸せなはずです。


ポテトサラダが食べたくなってきました。

帰りに買って帰ろうかな。

もし絡まれたらこう言ってやろう。

コロナで育休や復帰が延びたママたちも、7月から保育園に通い始めていると、そろそろ慣らし保育が終わる頃だと思います。

きっと今日あたりから、通常通りの生活がはじまることでしょう。

思っているよりもずっとバタバタすると思います。頼れるものには頼って、時間をコツコツ作って、子どもと過ごす時間をたくさん作りましょう。

時間を節約できるママ。素敵だと思います。





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