22年6月14日 その5408『逢坂誠二の徒然日記』(7105)
東京の朝、空全体に雲が広がっています。
気温18度、日中は20度程度の見込みです。
夕方から雨の予報が出ており、
今日の満月は観望できないかもしれません。
1)対策が打てない
昨日、円が一時1ドル=135円台に突入しました。
2002年2月以来、 20年4か月ぶりの円安ドル高水準です。
この理由の一つは、日本とアメリカの金利差です。
アメリカでは物価上昇を抑えるため、FRB は利上げ方向です。
一方、日本では景気回復が遅れていることもあり超低金利が続けられています。
今後もアメリカと日本の金利差がさらに広がる可能性が高く、
円を売ってドルを買う動きに拍車がかかっています。
松野官房長官の昨日の記者会見発言は以下です。
*最近の為替市場では、急速な円安の進行がみられ、憂慮している
*経済物価などへの影響を一層の緊張感を持って、注視をしていく
つまり今のところ何もしないということです。
何故こんなことになったのでしょうか。
====
結論から言えば、アベノミクスの失敗です。
1:異次元の金融緩和
2 :財政出動
3:成長戦略
これがアベノミクス3本の矢です。
====
3番目の成長戦略は、結局何もできなかったと言えます。
*住宅などの熱効率の向上や再エネシフト
*IT、デジタルへの投資
*1次産業の基盤強化
*教育への投資
*限界消費性向の高い世代の購買力の強化
*担税力に応じた所得再配分への転換
*資産課税の見直し
成長戦略として、これらのことをメリハリをつけて行うべきでしたが、
安倍、菅、さらに岸田内閣も結局は何もできませんでした。
本来、経済そのものの足腰を強くすることに力を入れるべきだったのですが、
それをほとんど行わずに、ハリボテの対策だけを行い続けたのです。
====
日銀は金融機関から国債を買い入れて、
異次元の金融緩和(金利引き下げ)を進めてきました。
12年末の日銀の国債保有残高は113兆円、
それが21年末には521兆円、4.6倍になっています。
賃金が上がらず、国民のものを買う力が落ちている中で、
金融緩和をしても設備投資は進まず効果は限定的です。
それにも関わらず、金融緩和を続け、
日銀の国債保有が500兆円以上にもなりました。
金融緩和はお金を大量に印刷することになりますので、
一般的には円が安くなります。
政府も日銀も円安は良いことだと位置付けておりましたが、
行き過ぎた円安は、国民生活を苦しめています。
株式は本来、市場原理で動きますが、
日銀が大量に株を購入し株価を支えました。
国家が株価を支えたのですから社会主義のようなものです。
アベノミクスの円安と株高によって、
数字上は企業が儲けているように見えますが、
実際にはその数字ほどモノが売れているわけではありません。
私に言わせればハリボテの経済です。
円安を止めるためには、金融緩和政策を転換し金利を上げたいところです。
ところがアベノミクスによって日銀の国債保有の増加、国債残高が増加となりました。
この状況の中で金利を上げたらどうなるでしょうか。
1%の金利上昇で、国債利払は10兆円の増加です。
消費税4%分が吹き飛ぶことになります。
簡単に利上げできる状態にはないのです。
アベノミクスにこだわるあまり日本は、
二進も三進も行かない状態に陥っています。
今、行うべきことは、
物価高に備え個人の生活への支援を行うことです。
岸田内閣は、円安への対策も、個人への支援も極めて手薄な状態です。
さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2022.6.14===
逢坂誠二の公式LINEからご意見をお寄せ頂く場合は以下から登録をお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?