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「ネット世論」の歪み 一部の声が多数派に/逢坂誠二 #7566

【23年9月19日 その5869『逢坂誠二の徒然日記』 #7566
夜明け前の函館、空全体に薄雲が広がっていますが、東の地平線付近は雲が切れています。朝の気温は21度で、日中は26度の夏日となる見込みです。終日、雲が多く一時雨になる見込みです。

昨日は、終日、松前町で #歩く歩く聞く聞く 。いたるところで熊出没の話題を聞き、熊への対策は急務です。地元のハンターの方からも話を伺っています。

1)「ネット世論」の歪み 一部の声が多数派に 
経済学者の山口真一さんのネット世論に関する論考が朝日新聞(15日付)に掲載されていました。

==以下、抜粋引用==

人々はSNSなどのプラットフォームで意見や情報を自由に共有し、瞬時に大勢の人々に情報を届けることができるようになり、人類総メディア時代が到来した。

それに伴い、「ネット世論」という言葉をよく耳にするようになった。マスメディアもそのようなインターネットを人々の意見の場として取り上げ、報道することが少なくない。

しかし、実はインターネット上の意見分布が大きく歪んでいることが、筆者の実証研究で明らかになっている。

なぜインターネット上の意見分布は歪むのか。それは、インターネット上の意見には能動的な情報発信しかないためである。つまり、言いたいことのある人だけが言い続ける言論空間だ。その結果、極端な意見や強い信念を持った人々が大量に発信することが容易になっている。これは、通常行われるような世論調査が、聞かれたから答えるという受動的な発信であるのと逆である。

筆者は2018年に、20~60代の男女3095人を対象としたアンケートを実施し、意見の強さとSNS投稿行動の関係を分析した。具体的には、ある一つの話題――ここでは憲法改正――に対する「意見」と、「その話題についてSNSに書き込んだ回数」を調査し、分析した。分析では、「非常に賛成である」~「絶対に反対である」の7段階の選択肢を用意し、回答者の意見とSNSに投稿した回数を収集した。

そのデータから、回答者の意見分布とSHSでの投稿回数分布を分析した結果、まず、回答者の意見分布は「どちらかといえば賛成(反対)」「どちらともいえない」といった中庸的な意見の多い山型となった。

しかし、SNSの投稿回数分布は、最も多いのが「非常に賛成である」人の意見(29%)で、次に多いのが「絶対に反対である」人の意見(17%)という、谷型の意見分布になったのである。この強い意見を持っている人たちは、回答者には7%ずつしか存在していなかったにもかかわらず、SNS上では合計46%の意見を占めていたのだ。

筆者はよく「ネット世論はない」と指摘している。そこには確かに人々の生の声があるが、それをストレートに社会全体の意見として捉えるのにはあまりにも大きなリスクがある。

==以上、抜粋引用終了==

生の意見では、極端な反対と賛成は少なく、賛成反対の中間意見の多い中庸的な山型の結果だったものが、SNSでは、強い反対と賛成の多い、谷型の結果となったといいます。

私も肌感覚としては、その様に思っていましたが、山口さんの実証調査で、その傾向がよりクリアになりました。ネット世論には注意、備えが必要です。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2023.9.19===

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