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「人間の狂気」/逢坂誠二 #7550

【23年9月3日 その5853『逢坂誠二の徒然日記』 #7550
昨夕、富山入りしました。夜明け前の富山は晴れ、気温は24度です。終日晴れ、予想最高気温は33度の見込みです。

1)人間の狂気
先日、関東大震災韓国人殉難者追念式に党を代表して参列しました。各党代表や日韓議連の役員も出席されておりました。

関東大震災で大変大きな被害があったのは周知のことですが、もう一つ忘れてはならない事件が発生しています。

関東大震災で社会がひどい混乱に陥ったことを受け、当時の内務省は戒厳令を宣告。そのときに内務省が全国の警察などに発した下達の中に「混乱に乗じた朝鮮人が凶悪犯罪、暴動などを画策しているので注意すること」という記載がありました。このことは行政機関や新聞、さらに口伝えを通して広まり、朝鮮人や、間違われた中国人などが殺傷されるとうい悲惨な事件が発生したのです。正確な死者数は未だにはっきりしていないようですが、数百名から約6000名と言われています。

千葉県福田村(今の野田市)では日本人が殺されました。9月6日、福田村に四国から来ていた薬売りの行商一行9人が朝鮮人に間違えられたのです。9人は方言がひどくて言葉がうまく通じなかったため、村人はその9人を先端に金属をつけた竹槍と猟銃で殺害しました。狂気としか言いようのない事件です。

一方、鶴見警察署の大川常吉署長は、暴徒化する日本人を相手にして、朝鮮人を守りました。追念式で配布された資料などによれば以下です。

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大川署長は多数の朝鮮人らを鶴見署に保護。日本人群集約千人が署を包囲し、「朝鮮人を殺せ」と激高。大川署長は「朝鮮人たちに手を下すなら下してみよ、憚りながら大川常吉が引き受ける、この大川から先に片付けた上にしろ、われわれ署員の腕の続く限りは、一人だって君たちの手に渡さない!」と一喝。しかし、それでも収まらない群集の中から代表者数名が大川に言った「もし、警察が管理できずに朝鮮人が逃げた場合、どう責任をとるのか」と。すると大川は「その場合は切腹して詫びる」と答えた。そこまで言うならと、とうとう群衆は去って行った。保護された人は朝鮮人220人・中国人70人ら、計300余人に上る。
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社会の混乱の中で、通常では考えられない狂気に国民が陥ったのです。本当に怖いことですが、これは過去のこととは思われません。今も十分に起こりうると私は感じています。だからこうした事件のことを忘れてはならないのです。

しかし、この虐殺などの事実を、今も日本政府は認めていません。先日も松野房長官は朝鮮人虐殺について「政府内において事実関係を把握する記録が見当たらない」との発言をしました。

不都合な歴史に目をそむけてはなりません。そんなことをしていると今も未来も見えなくなってしまいます。仮に政府内に記録がないのは事実だったとしても、社会の至るところにそれらに関する痕跡、記録、証言があるのですから、それを積極的に調べようとしない日本政府の体質には呆れるばかりです。

関東大震災をはじめ、これまでの幾多の自然災害で命を落とした方々、さらに人災とも言える人間の狂気によって亡くなられた方々に哀悼の誠を捧げます。

私たちは忘れてはなりません。  

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2023.9.3===

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