やりたかったことに挑戦してみます

忘れられない光景

これまで嘱託産業医として20数社に係わらせていただいて、働きながら健康を維持することがいかに難しいかということを実感しています。遠い将来の健康の維持と今、全力で働くことの両立は多分、永遠の命題なんだろうなと感じます。

そんな経験の中で、この記事を書くきっかけとなった、強烈な印象がのこるエピソードが一つあります。それは、ある、深夜業主体で、たくさんの個人事業主や小規模事業場が共同して働く事業場の嘱託産業医経験です。私はその職場の管理を行うような会社で嘱託産業医をしていましたが、あたりまえですが、普段訪問するような時間帯(9時~17時)で深夜の業務を見ることはできません。

なので、調整を重ねて深夜に職場を見に行くことにしました。職場を見ることが事業場の理解への近道なので、その職場巡視は非常にありがたい機会です。巡視で見た光景は、話で聞いている以上に、自分が担当する事業場の方はかなりハードな肉体労働をしていることや、精神的にもしんどい仕事だなという感想でした。

その事業場の方の負担以外に、目についたのが共同して働く人達の姿です。休憩時間にタバコを吸っている人多数。会話しているときに見える歯の状態や、体形などから、深夜業していて大丈夫な健康状態なのだろうかと、はたから見ていて心配になりました。

自分が担当している事業場の方は、長年、私の先輩となる産業医を含めて健康管理に取り組んできているため、比較的リスクが高い人への対応を少しずつ進めることができている状況でしたが、「この人たちの健康診断結果を見ている人はいないんだろうな・・・」と将来の大きなイベントの発生を想像して、なんとかしたいと思うようになりました。

(大筋をそのままに、細かいところに嘘を入れているので、そんな業種あるの?という疑問を持たれてもご容赦ください)

どうすればよいか?

なんとかしたいの内容は、簡単に言うと、50人未満の産業医選任義務がない事業場で、どうすれば産業保健サービスを届けることができるかというものです。

この課題は、国がきちんと取り組んでおり、いわゆる地産保による、無料での健康診断の結果判定などを小規模事業場は利用することができることから、やる気があれば、実はそんなに問題ではない可能性も高いです。

ただ、地産保の事業について、産業保健業界に関わる人達の話を多数ヒアリングしたところ、まんべんなく希望する事業場全員に産業保健サービスを届けることができているか?という点で少し疑問を感じるようになりました。

そこで、今回「産業医オンデマンド」というサービスを作ることにしました。このサービス、地産保のサービスと、嘱託産業医サービスの隙間のニーズに対応するものとなります。

先に記載した、忘れられないエピソードで登場する方々にダイレクトにサービスを届けられないかもしれませんが、50人未満の事業場は法令で産業医の選任が義務付けられていないにも関わらず、大多数の労働者が所属する集団です。

そのような集団を主な顧客としている、産業保健サービスの提供者は、私の知る範囲ではありません。小規模事業場にとって、地産保と嘱託産業医以外の選択肢を提供できるようになればと思い、サービスを開始することとしました。

「全ての働く人に産業保健を!」をスローガンに、小規模事業場の産業保健に取り組んでいきます。

もし、嘱託産業医までは必要ないけど、しっかりと相談しながら、健康診断の結果の活用等を考えている事業場があれば、ファクトリーヘルス株式会社の、「産業医オンデマンド」をご検討ください。


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