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ビニール傘もちゃんと古くなる

買ったビニール傘を失くしてしまって、長い間家の窓柵に掛けていたビニール傘を使った。開くとくっついていたビニールが剥がれてベリベリと音がする。全体に黄ばんだような色で薄汚く、くすんで見える。心なしか持ち手も少しベタついている気がする。

ビニール傘もちゃんと古くなるんだなあ、と思った。出先の傘立てに立てるとどれも同じに見えるビニール傘だが、やはり時間が経つとそれなりの変化があるのだ。先日の免許更新で撮った写真の自分も更新前のものよりしっかりと老けていた。時は流れている。

古くなったビニール傘は、いつ失くしてもいいやと思って雑に使えるが、買ったばかりのビニール傘に比べて存在感があるため、むしろ失くしにくくなる。失くしたくないものは失くしてしまうのに、失くしてもいいものは失くせない。皮肉なものだ。そんな大袈裟な話でもないけど。

忘れたふりをしてわざと失くすのもフェアじゃないので、この小汚いビニール傘はしばらく使い続けることになるだろう。どうせならいけるところまで使い込んで、さらなる変化を見ていこうと思う。

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