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爆音で音楽を流す車

先日天神を歩いていると、爆音で音楽を流しながら走っている車がいた。とにかく目立ちたくて仕方ないのだろう。まったく理解できない感覚だが、それなりにありふれた光景ではある。ただ一つ珍しかったのは、楽曲がback numberだったことだ。

back numberかあ、と思った。勝手な偏見だが、爆音で音楽を流しながら車でうろうろする若者は、HIPHOPとかが好きなのではないのか。逆に言うと、back numberを聴いている人は、爆音で音楽を流しながら走る車のことは嫌いなのではないか。片思いの相手が爆音で音楽を流す車に乗る奴と付き合い始めたことを延々と嘆いているようなタイプの人が聴いているのではないのか。back numberは。そのくらい爆音カーとback numberは相入れないイメージがある。

車で爆音でback numberを流して走るという行為は、デカ盛りメニューです!と言って丼いっぱいのほうれん草のおひたしを出してくるようなチグハグさがある。おひたしはあまりそのテンションで食べる料理ではない。有名タレントがデカ盛り料理を食べて大はしゃぎする番組でもさすがに盛り下がるのではないか。おひたしは。もちろんback numberの曲=おひたしということではなくて、構造としての話だが。おひたし的な曲もあるのかもしれないけど。

行動の真意がわからない分、HIPHOPを大音量で流している車に乗っている人よりも、back numberを大音量で流している車に乗っている人の方が怒らせたら怖い気がする。HIPHOPだと一般的にイメージするようないわゆるガラの悪い人が乗っているのかな?くらいの予想はつくが、back numberの方はよくわからないのだ。怒るきっかけもわからないし、怒らせたら何をするかもわからない。表情ひとつ変えずに指の骨を折ってきたりするかもしれないし、ニコニコ笑いながら財布から免許証を抜き取っていくかもしれない。

とにかく触らぬ神に祟りなしだ。僕は爆音back number車の方を極力見ないように心がけた。普段からこの手の車にリアクションしたら負けな気がするので見ないように意識してはいるのだが、より一層強く意識して絶対に見ないように努めた。

あと、back numberの曲は今度ちゃんと聴いてみようと思った。もしかしたら車で爆音で流したくなるのかもしれない。

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