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営業なぞなぞソイジョイ3本

珍しく営業の仕事に行った。イベントを盛り上げつつ2ステージやるという、普通に考えたら僕には来ないようなタイプの仕事だが、地元の企業が主催のイベントということで呼んでいただいたのだ。ありがたい話である。

普通のお笑いの人であれば持ち時間をネタなりトークなりで繋ぐのだが、僕は屋外でネタをやってウケた記憶がないので、大人しくなぞなぞを出すことにした。オリジナルのなぞなぞを出題し、わかった人に舞台上で答えてもらい、正解であれば似顔絵を描いてプレゼントする、という流れである。皆なぞなぞを考えるので退屈はしないし、正解が出ればそれなりに盛り上がった感じにはなる。お笑いを名乗っていてそれでいいのかという内容だが、僕がネタをやるよりも皆が喜んでくれるのは間違いないのでまあいいのだ。

客は家族連れが中心なので、回答者は子供がほとんどだった。親と一緒にステージに上がり、親が吹き込んだ答えを言うという船場吉兆パターンである。これは厳密に言えばルール違反なのだが、もちろんそんな指摘はしない。この場面で「今答えを教えましたよね?挙手した人が答えないと失格ですよ」などと言う人はどうかしている。面白いけど。

盛り上がったとも盛り上がらなかったとも言いがたい穏やかな春の日差しのようなステージを終え、用意していただいた楽屋に戻った。全身に心地よい疲労感を感じる。僕は私服に着替えると、ケータリングの中に入っていたソイジョイ3本を根こそぎ鞄に突っ込み、そそくさと帰った。

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