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宇宙に思いを馳せながら

仕事で宇宙科学館に行った。空き時間に売店を眺めると、実際に使用されているという宇宙食がたくさん売られていた。宇宙食といえば、なんかパサパサしたあまり美味しくないものというイメージがあったが、今はカレーやおにぎり、羊羹などバリエーションも増えていて、どれも美味しそうだ。

僕は自分へのお土産に「宇宙ちりめん山椒」を購入した。技術の進歩により、ついに宇宙でもちりめん山椒を食べることができるようになったのだ。ただし、無重力空間でバラバラに飛散するとめんどくさいので、宇宙船内で食べるときには注意が必要である。きっと宇宙飛行士しか知らない食べ方のコツがあるのだろう。

価格は500円。内容量にしてはかなり割高だがそんなことはどうでもいい。僕はロマンを買っているのだ。宇宙飛行士も同じものを食べたのだと想像し、果てしない宇宙に思いを馳せながら食べる宇宙ちりめん山椒は、そのへんのちりめん山椒とは別物である。我々は地球に居ながらにいて、ちりめん山椒を通して宇宙を感じることができるのだ。

さて、問題はこの宇宙ちりめん山椒をどうやって食べるかである。何せ量が少ないので少しも無駄にはできない。よく考えて決めなければ。そのまま食べてももちろん美味しいだろうが、地球白ごはんにふりかけるのもありだろう。もしくは地球豆腐に乗せて食べても良さそうだ。さぞかし地球ハイボールが進むに違いない。いや、最近少しずつ飲み始めている地球日本酒も合いそうだぞ。地球レモンサワーもいいかもしれないな。もしくは地球ビールか。うーん、どうしよう。

果てしなく広い宇宙の片隅で、僕は胸を躍らせていた。

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