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オーバーサイズの服の着こなし方

オーバーサイズの服が流行っているという。確かに肩が落ちたようなゆったりしたサイズ感の洋服を見ることが増えたし、僕自身選ぶ服のサイズが大きくなった気がする。流行とかよくわかんないんで、という究極にかっこいいスタンスを取れるのはひと握りの選ばれし民のみなので、ここは大人しく乗っかってデカい服を着ておくしかない。

しかし、何がどうなってデカい服が流行るようになったのか。巨大な業界によるマーケティングの対象の末端の末端にいるような雑魚人間には知る由もない。世界の流行はなんかどっかの国のファッション界のすごいデザイナー的な人(仮に“X”とする。顔は逆光で見えない)が決めていると聞いたことがあるが、なぜXは服をデカくしたのか。もしかしたら、Xの子供がちょうど中学生くらいの歳になったのではないだろうか。そして、中学生の親御さん特有の「どうせすぐ大っきくなるんだから!」感覚が芽生え、デカい服を着せたくなったのではないか。今、世界中の消費者は食べ盛りの中学生なのだ。

だとしたら、我々としてもXの意志を汲むべきではないか。ただ流行っているからなんとなく着るのではなく、「んだよこの服よお……」みたいな感じのテンションで渋々デカい服を着るべきなのだ。声変わりするかしないかの声で「マジでデカすぎやろ……」とぼやき、水のようにゲータレードを飲み、自転車立ち漕ぎでブックオフに向かうべきなのである。そして、友人とコンビニのイートインスペースでスマホゲームに興じ、「服デカすぎん?」「お前もな」などと言い合いながらまた水のようにゲータレードを飲み、晩御飯が食べられなくなるべきなのである。

それこそが、本当にお洒落なオーバーサイズのアイテムの着こなしなのだ。

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