ガス料金とマウントレーニア

家にガス会社の人がやってきた。手にタッパーを持っていないので、作りすぎたガスのお裾分けというわけでもなさそうだ。聞けば、僕が6月分をすっ飛ばして7月分の料金を払っており、その7月分を6月分の支払いに充てたところ差額の751円が未払いの状態になっているらしい。今日中に支払わないとガスを止めますよ、と告げてガス会社の人は帰っていった。

各種封筒をしっかり管理していないので、たびたびこういうことが起こる。封筒たちには枠にはまらずにのびのび過ごしてほしいのだ。結果テーブルの上でごちゃごちゃになってしまい、何を払う必要があってどこまで払ったのかがわからず、いざ把握しようとすると「いーーーーーーっ！！！」となってしまう。その辺をきちんとやっている人たちは本当にすごい。「いーーーーーーっ！！！」ってならないのだろうか。

仕事に向かう道中のコンビニで支払いをするぞと心に決めて家を出る。こういう決意をころっと忘れてしまう性分なので気をつけなければいけない。駅までの道にあるコンビニに寄りたかったが、地下鉄の時間が迫っているのでそこはスルーした。大丈夫だ。他にもコンビニはある。だってコンビニなんだから。それがコンビニなんだから。

佐賀に向かう特急列車の中で、マウントレーニアを飲んでいる乗客が目に入った。そういえば最近飲んでないな、とふと思う。初めて見たときになんて洒落たパッケージなんだと感動したことや、大学の授業の合間によく飲んでいたこと、想像よりも気持ち強めに吸わないと口に入って来ない感じなどを思い出して懐かしくなる。なんだか急に飲みたくなってきた。

仕事先に向かう前に近くのコンビニに寄り、真っ先に飲み物売り場に向かう。マウントレーニアを探すが思っていたほど売っておらず、なんか変化球の味一種類しか並んでいなかった。飲みたいのはこれじゃない。もっと普通のでいいんだ。仕方なくコンビニのオリジナルブランドのカフェラテを手に取る。マウントレーニアが良かったが、まあいいだろう。仕事の合間に飲もう。

僕は足取り軽くコンビニを後にした。さてさて、いつ飲もうか。空き時間は何回かある。早く飲みたいが、最後の空き時間まで取っておくのもいいな。ああ、楽しみだ。マウントレーニア（的なやつ）を買うだけで、いつもと変わらない時間がキラキラと輝き出した。

ガス料金のことは見事に忘れていた。