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1リットルの牛乳

特急列車のゴミ箱に1リットルの牛乳のパックが捨ててあって「すごいなあ」と思った。移動中に1リットルの牛乳を飲み干した猛者がいるということだ。しかもすぐ視界に入る位置にあったということは、捨てられてからそう時間は経っておらず、まだ同じ列車に乗っている可能性が高い。

1リットルの牛乳を飲み干したばかりの人間が自分と同じ速さで移動していると思うと、ちょっとだけ怖いような、感慨深いような、嬉しいような、会ってみたいような、会いたくないような、懐かしいような、くすぐったいような、煩わしいような、他人とは思えないような、友達のような、まるで理解できないような、全てがわかったような、寂しいような、切ないような、楽しいような、そのどれでもないような感じが、するような、しないような、まあ、しなかった。

あと、降り際に捨てた可能性も高いからもう乗ってないかもな、と思った。

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