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(笑)、笑、wが使えない

語り手が笑っている、もしくはそういう心情であることを表すため、文末に(笑)をつける方法がある。
例)営業部の室田さんかと思って挨拶したら大型犬だったよ(笑)

もしくはカッコなしの笑や、wをつける方法もある。最近はそちらの方が主流だろうか。
例)営業部の室田さんかと思って挨拶したら簡易トイレだったよ笑
例)営業部の室田さんかと思って挨拶したらめちゃくちゃ育ったアロエだったよwww

便利な表現だが、残念ながら僕はこれらを上手く使うことができない。どういうわけか抵抗を感じてしまうのだ。引用や「そういう文体」の模写としてやったことはあるが、自分自身の気持ちを表すために(笑)、笑、wを使ったことは、人生においてまだない。そしてこれからもなさそうである。どのくらいなさそうかというと、ちょうど「鼻ピアスを開ける」くらいなさそうだ。

なぜそこまで使いたくないのか、自分でもよくわからない。無意味で変なこだわりだし、自意識過剰もいいとこだと思う。僕が文末で笑おうが笑うまいが他人からしたら心底どうでもいいのはわかっているのだが、それでも使えないのだ。LINEのやりとりやTwitterのつぶやきなどで、ここに「笑」をつけたらしっくりくるだろうな、という場面は度々あるが、毎回避けてしまい、「!」や「〜」や「感情の読み取りづらい顔をしたおじさんのスタンプ」などでなんとなくお茶を濁している。

かと言って、人が「笑」や「w」を使っているのを見るのは別に嫌ではない。尊敬している人やすごく面白い人などが「笑」や「w」をつけてツイートしていても、それを見て幻滅したりはしないし、ごく自然に受け入れることができる。「あ、この人「笑」って付けるんだ」とは思うが、それは決してネガティブな感情ではない。

だから自分でも気にせずに「笑」や「w」を使えばいいのだ。一体何をそんなに意固地になっているのか。さっぱり意味がわからない。お前の文末に人々が興味津々だとでも思っているのか。何なんだ。クールだと思われたいのか。気持ちの悪い。何様だ。僕は世間一般とは違いますよってか。その発想こそ凡庸だろ。そうやって自分を守っていないと底の浅さがバレそうで怖いのか。プライドだけは一丁前だからな。大丈夫とっくにバレてるよ。誰もお前に深みなんて感じてないよ。だから安心して(笑)、笑、wを使えよ。だーれも使ったことにすら気づかないから。世界は何も変わらないから。お前の文末よりも大事なことはたくさんあるから。

と、勢いに任せて自分を罵倒してみたが、やっぱり今は使う気にならない。そもそも、無理してまで使うものでもない。もしこの先鼻ピアスを開けることがあったら、そのときは自然に使えるのかもしれない。

鼻ピアス開けたwwwけどマスクしてるから全然見えないwwwていうかさっき営業部の室田さんかと思って挨拶したら道路に書かれた「止まれ」の「れ」だったwww焦ったwww

僕がこういうツイートをしたら、その時は、この記事のことを思い出してください。


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