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ぶっかけたおかげで

手元が狂ってiPadにコーヒーをぶっかけてしまった。その瞬間は意外と冷静で、「ああ、いつかやるかもと思ってたけど本当にやるんだなあ」とか考えていた。漫画やドラマで死ぬ間際に「ああ、本当に死ぬんだな」と考えるみたいな描写があるが、案外実際にそうなのかもしれない。

とは言え、ワンテンポ遅れてやっぱり焦りがやってきて、慌ててティッシュでコーヒーを引き取った。毎日仕事に使っているiPadが壊れたら洒落にならない。けっこう高かったし。素早い対応が功を奏したのか、コーヒーが急所に届かなかったのか、幸いiPadの動作に問題は生じなかった。一安心だ。ほっと胸を撫で下ろす。

よかったのは、コーヒーを拭き取ったことでホコリや指紋で汚れていたiPadが見違えるように綺麗になったことである。ピカピカのiPadは実に気持ちが良く、心なしか作業も捗る気がした。僕が描いた中年男性もどこか嬉しそうに見える。

怪我の功名とはまさにこのことだ。今後も定期的にコーヒーをぶっかけるといいかもしれない。


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