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アンパンマンの今

珍しくイベントに呼ばれてネタをやる機会があった。出番はアンパンマンショーのあと。アンパンマン→おほというなかなかの香盤だ。

アンパンマンショーは流石の人気で、客席は親子連れでごった返していた。全子供がアンパンマンを好きだという噂は本当のようだ。ショーはアニメのBGMを使ってタイトルコールから始まる本格的な仕様で、これならコアファンも納得である。きっとここからバイキンマンが悪さをしてアンパンマンがやっつけるんだな、と思いながらなんとなく音を聞いていたのだが、どうもそんな展開ではなさそうだった。

話はこうだ。どういう流れかわからないが、アンパンマンの世界で演劇をやることになり、バイキンマンが主役、アンパンマンが悪役に選ばれる。まさかの劇中劇である。彼らは台本に沿って練習をしていくのだけど、アンパンマンが生来の生真面目さから悪役の台詞をうまく読めずに苦労する…という展開であった。登場キャラクターの性格が共通認識になっているからこそできるコメディだ。今アンパンマンショーはこんなことになっているのか。

僕が思い浮かべていたような、客席の皆の呼びかけで登場したアンパンマンが声援を浴びながらアンパンチでバイキンマンを懲らしめる…という脚本はもう古いのだろう。アンパンマンは時代と共に変化し続けているのだ。そして、その姿勢こそが、アンパンマンが常に圧倒的な支持を得続ける理由なのではないだろうか。

僕は違うと思う。

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