見出し画像

【映画】モノクロが味わい深い作品「ペーパー・ムーン」

1.あらすじ

母親を交通事故で無くした少女アディと、聖書を売りつける詐欺師のモーゼが主人公。
アディの母と恋人だったモーゼは、アディを引き取り手の親戚のもとへ運ぶことになる。
いろいろな詐欺をしながら旅をする、コミカルなロードムービーだ。

2.感想

アディ役のテータム・オニールは当時10歳でアカデミー助演女優賞を手にしただけあり非常に演技がうまい。
またモーゼ役のライアン・オニールとは実の親子であり、映画の中で他人のような親子のような、独特な関係性を感じさせるのがおもしろい。

当時はカラー映画が既に主流だったが、あえてモノクロで作られたことが、舞台となる1935年(世界恐慌)のアメリカを表現している。
そのころのアメリカがわかる資料にも思える。

決して明るいだけの話でもないし、両手をあげてのハッピーエンドでもない。
しかし映画を観終わった後の、なんともいえない充実感は、おそらく必死に生きるアディとモーゼからエネルギーをもらえたからだろう。

103分という長すぎない上映時間で、かなりキレイにまとまっている。
シンプルな脚本で普遍的な映画」というコンセプトが十分伝わる、いつの時代に観てもおもしろい作品だ。

余談

実はこの「ペーパー・ムーン」という名前、僕には聞き覚えがあった。
学生時代に宿泊した栃木県那須塩原市の「ペーパームーン」というペンションである。

当時は宿の名前の由来がわからなかったが、今となってはあの素朴な雰囲気がどこから来たのか理解できる。

他にも同じ名前のお店や企業はあるようだ。
後世に影響を与えるという意味で、松本人志の言葉はあながち誇張ではなかったのかもしれない。

よろしければサポートお願いいたします! もっと面白い記事を書くための活動資金として充てさせていただきます!