唐揚げ屋の終焉とおやきの秘密
更新が滞ってしまいすみません。
只今妊娠中でして、体調を優先しながらの作業になっており、どうしても遅れがちになってしまうのですが、出産前になんとか解散話まで更新していけたらと思っております。
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では、本編スタートです!
少林寺憲法の修行で2、3年は中国へ行っているはずのおやきが、中国へ渡って数ヶ月後に勝手に極秘帰国し、何故か秋葉原で唐揚げ屋の店長をしていたことが発覚した前回。
様々な疑問が浮かんだが、とりあえず私はおやきの唐揚げ屋で週に何度か働くことにした。
というのも、この頃のおやきは唐揚げ屋の店長と居酒屋のバイトを掛け持ちでやっており、ネタ作りや打ち合わせをする時間が皆無だったのだ。
そのため、唐揚げ屋で一緒に働きネタ作りの時間を設けたいという気持ちがあった。
それと同時に、「結局なぜ唐揚げなのか」「中国修行はどうなったのか」という件の潜入捜査をしたいという気持ちもあった。
おやきの唐揚げ屋では、既に芸人仲間が結構働いていた。
人気の理由は、スケジュール変更がしやすいということと、時給が良いことが挙げられる。
通常この店での時給は1000円だが、秋葉原という土地柄なのか、女性はコスプレをしながら店頭に立つと時給が1200円になるのだ。
男性でもコスプレOKにしてあげても良いところだが、その辺は多分おやきの趣味であろう。
おやきはとにかく女性を特別扱いするのだ。
私は相方で同期で年齢はおやきより1つ上だが、「女性」というだけで、ご飯代などを奢ってもらう機会が多かった。
最初はなんだか怖くて頑なに断っていたが、おやきの「女性にはお金を払わせたくない」という確固たる意思があることを理解し、後半は8割方ご飯代はおやき持ちという感じだった。
吉本では年齢や収入に関係なく芸歴が上の先輩が支払いをするという暗黙のルールがあるのだが、おやきの場合、先輩であっても女性の方の場合はおやきが奢っていたりしたのである。
先輩方も意味がわからなくて頑なに拒否したり怖がる方もいた。
それ程おやきのレディーファーストはちょっと常軌を逸している節があった。
話は戻るが、唐揚げ屋のコスプレは、コスプレと言っても魔女の宅急便やマリオ、ルイージなど、露出は極力少なく、ライトな感じでできるものが殆どだった。
その辺りのコスプレでいいなら私もコスプレ時給でいきたい。
そう言ってコスプレ時給にしてもらったのだが、結局のところ私は唐揚げ屋にてコスプレで店頭に立つことは一度も無かった。
おやきは、コスプレ衣装を用意するのが面倒になってしまっていたのだ。
私だけでなく、元々働いていた魔女の宅急便のキキ(TEAM BANANA山田)も赤いリボンの紛失でただの黒いワンピースのみになっていたり、ルイージ(TEAM BANANA藤本)も緑の帽子の紛失により、ただのオーバーオールになっていた。
私と同時期に唐揚げ屋で働くことになった怪獣の坂口さん(当時のコンビは少年少女さん)と、ツジカオルコさんもコスプレ時給を提示したが、結局おやきがコスプレ衣装を用意するのが面倒ということで、一度もコスプレをすることは無かった。
そういうわけで、後半はほぼ誰も何のコスプレもしていないという状態で、女性は1200円の時給をもらっていたのである。
因みに、コスプレ時給の無い男性の時給は1000円だが、揚げ油を定期的に新しい油へと替える「油替え」という力仕事は男性が担っていた。
そのため、男性は結構な重労働が多かったにもかかわらず、時給が低いという理不尽な状態になっていた。
特に先輩の元ガリバートンネル佐助さんの「油替え」作業はとてもスムーズで、見事なものであった。
勤務態度も真面目で、バイトならではの「時給が発生してるならできるだけサボりたい」というような態度も一切無く、先輩ながら「もし私が何かしらの社長になったら社員として雇いたい」と勝手に思っていた程である。
しかし、佐助さんは唐揚げ屋で働いた後、すぐ裏手にあるパチンコ店へ油替えの作業の如くスムーズな流れで入店し、その日の日給以上に負けて帰るのであった。
非常に猟奇的である。
その他にも、揚げるのが異常にうまいジェラードンかみちぃや、佐助さん以上に勤勉に働くジュエリー詩織、タバコ休憩に行きまくる元バースの中村くんなど、芸人がたくさん働いていた。
唐揚げ屋で働いているとついつい仕事に集中してしまうが、中国修行のことをきちんと問いたださねばならない。
おやきは必ずこう即答していたが、一向に中国へ戻る気配は無く、ひたすら唐揚げを揚げ続けていたのである。
私も負けじと聞き続けていると、とうとうおやきから耳を疑う言葉が飛び出した。
未経験の日本人がたった数ヶ月(数週間の疑惑も)中国で修行をしただけで極められるものなのだろうか。
いや、そんなはずは無い。
そんなに簡単なものであったら、何年も山に籠って修行をする人たちなど存在しないはずである。
それからというもの、いつ中国に戻るのかという話をする度、
これの一点張りとなったのだった。
そして呆気に取られていたのも束の間、唐揚げ屋の店舗の契約が終了するとの知らせが飛び込んできたのだった。
とは言え、結構繁盛している店ではあったし、また再契約して同じ場所でやるのか、はたまた近場で別の場所を借りてやっていくのだろうと思っていた。
おやきに今後の唐揚げ屋のことを尋ねると、
どうやらお店は存続するようだった。
なんと、オーナーが慰労会を開いてくれるらしいのだ。
このオーナーというのは、おやきが知り合った社長さんで、自分の会社の他にもいろいろと事業を広げている方のようだった。
その一つとして唐揚げ屋があり、おやきが店長に任命されたのだ。
しかし慰労会当日、私はまたもや開いた口が塞がらないという状況に陥るのであった。
おやきといると、本当にいつも予想だにしないことばかり起きる。
ここからは、その慰労会の一部始終と、実は前回も触れていなかった唐揚げ屋でのおやきの重大な秘密を勝手に公開することにする。
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