ジョイマンさんとの頂上決戦
私たちタカダ・コーポレーションは、非常に良く営業に行っていた。
「営業」というのは、学園祭やショッピングモールでのイベント、企業の忘年会等々でネタをする仕事で、ギャラも結構良いのだ。
学園祭などにも呼んでいただいていたが、どちらかというと学園祭よりもお祭りや忘年会などに呼んでいただくことが多かった。
特に企業の忘年会などは、お酒を飲んでいる人も多く、ヤジを飛ばしてくる人なんかもいる。
そもそもネタを見てもらえなかったり、厳しいヤジに泣いてしまったという人もいたりもするのだが、私たち、いやおやきは、そういうヤジこそ取り込んで盛り上げてしまうことが大変得意だった。
盛り上がり過ぎて、ネタが終了した後も残ってほしいと企業の偉い方に懇願され、何故かおやきだけそのまま残って飲んでいるということも少なくなかった。
そういったおやきの特殊能力もあり、私たちは営業の仕事を増やしていき、番組に「営業芸人」として呼ばれ、盛り上げるテクニックを披露させていただくこともあった。
逆に学園祭などは、どちらかというと若い女の子に人気の芸人が呼ばれることが多い。
そのため私たちタカダ・コーポレーションが学園祭に呼ばれる際は、実行委員の方の勝手な趣向でというパターンが多かった。
以前女子大に私たちとくまだまさしさんが呼ばれるという学園祭があったのだが、その時の実行委員の方々の趣味趣向は、こちらが不安になってしまう程偏っていた。
そして実際にネタのステージに出てみると、先程の実行委員の方々の熱意とは相反した氷のような視線を目一杯浴びたことは言うまでもない。
そんな中、なぜか毎年私たちを営業に呼んでくださっていた専門施設での営業があった。
出演者は私たちとジョイマンさん。
ジョイマンさんとも営業でご一緒させていただくことが多かった。
入り時間から実際のネタの出番までの間は、準備や交通機関の遅れなどを考慮して大体1〜2時間ほど時間がある。
その間に、衣装に着替えたり用意していただいたお弁当を食べたりして過ごすのだが、突然おやきがこんなことを言い出した。
意味がわからない。
臭いとわかっているものを、何故、先輩の高木さんが敢えて嗅がなければならないのか。
そりゃそうである。
マジで臭くないんで、ならわかるが、マジで臭いと念を押されて嗅ぐ人などいないだろう……。
何故!!
どういう脈絡かはわからなかったが、高木さんはおやきのケツの臭いを嗅ぐことになった。
すると池谷さんが
と言った。
ごもっともである。
が、弁当うんぬんの前にそんなこと楽屋でやらないで欲しいという意見でもおかしくない。
食べ終わってからならOKという池谷さんの謎の優しさを垣間見た。
池谷さんがお弁当を食べ終わる頃には、おやきのケツの臭いのくだりなどどうでもよくなってしまうのではないかと、私は淡い期待を寄せていた。
しかし、おやきと高木さんはただただ池谷さんがお弁当を食べ終わるのをじっと待っていた。
この世で一番無駄な待ち時間である。
そしてとうとう池谷さんが食べ終わり、おやきが臭いを嗅がせる準備に入った。
さすがに直接ケツに顔を近付けて嗅いでもらうのは悪いので、おやきがケツの臭いを手にしっかりと付け、それを嗅いでもらうという間接的な嗅ぎ方となった。
準備をしながらも厳格なルールを設け、きちんとジャッジしてもらおうという体育会気質を覗かせるおやき。
何故か楽屋に走る緊張感。
何となく想像していたリアクションの×10倍くらいのリアクションだった。
死ぬ程臭かったのだろうと想像できる。
そして何故か満面の笑みのおやき。
結局このくだりは何だったのか…。
しかし、想像以上の臭さに、高木さんが少し具合いが悪くなってしまった。
鼻に臭いが残ってしまい、なかなか消えなかったらしい。
するとおやきが反省し、まさかの提案をしてきたのだった。
ここからは、高木さんの名誉に関わることとなるのと、万人に受け入れられるかわからない事柄もあることから有料にさせていただくのだが、ここまで呼んで気分を悪くされた方もいるかもしれないため、おまけでおやきのプライベートディズニーパーク写真もたくさん載せておきます。
少しでもご気分が晴れますように。
それでは、覚悟ができた方からお進みください。
ここから先は
¥ 200
解散ライブのチケット代がわりにサポートいただけましたらこんなに嬉しいことはありません!リアルに1児の母なので養育費にさせていただきます。