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単力2 

ブランクが空いてしまいましたが、その後も自分で道を切り開くことは続けています。

高校生の頃、何度もコンサートを見るために通った神奈川県民ホールにパスを付けて楽屋口から入ることは、他のどのホールでも味わえない特別な気分だった。

「おはようございます」

スーツを着て素敵な笑顔で迎えてくれる方々はイベント会社の従業員の方だ。

衣装などを入れたスーツケースを楽屋まで運んでくれる。

どの地方でも公演時は当たり前の光景なのだが、ミュージシャンの中には荷物を運んでくれて当たり前、とでもいう態度で接する人もいる中、自分はどの会場に於いても一つのコンサートを気分良く、成功させるという目的で集まっている訳なのだから、ミュージシャンであってもスタッフであってもケータリングのアルバイトの子であっても平等に敬語で接することだけは常に心がけてきた。

あのステージに立つ

神奈川県民ホールの広いステージにセッティングされた自分の持ち場。
とうとうここまで来た。

3歳の息子にはお父さんの仕事を見せるため、母にはあなたの息子はここまで来ましたという報告を兼ねて招待した。

神奈川県民ホールのステージにて


コンサートには横須賀に住む従兄弟夫婦も来てくれていて、5列目で満遍の笑顔を見せてくれていた。

会社に就職する訳でもなく、不安的な状況が続く中でも辞めてこなかったプロミュージシャンへの憧れ。そこには周囲のサポートが無かったら絶対に成し得なかったことは常に心に留めていた。



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