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座談会「日本の客家、企画展を語る」@国立民族学博物館 | 大人の学び

2024年9月5日(木)、みんぱく創設50周年記念企画展「客家と日本――華僑華人がつむぐ、もうひとつの東アジア関係史」関連 座談会「日本の客家、企画展を語る」に行ってきました。

客家(「はっか」と読みます)とは…

華僑華人の一派に客家と呼ばれる人びとがいます。客家は、世界各地に居住し、政治・経済・文化など各方面で成功を収めてきたため、中国地域では「東洋のユダヤ人」と呼ばれることもあります。19世紀後半以降、客家は日本と密接な関係を築きあげてきました。特に1895年に日本が台湾を植民地とすると、台湾の客家にとって日本は身近な存在になります。また、一部の客家は台湾などから日本へ移住し、団体をつくり、暮らしています。

展示概要より

そして、

客家と日本の関係に焦点を当てることで、これまであまり知られることのなかった東アジア関係史の一面を探ります。

同上

…というのが、この企画展の趣旨です。

そしてその企画展の
初日に行われたのが表題の座談会です。
企画展の展示に協力された方々(source communityというらしいです)を招いて直接お話を伺う、という趣旨で開催されました。

日本にやってきて日本で暮らす客家のひとたちの会、崇正会があります。その会の世話役をしておられる方が、客家に関するこれまでの展示会との比較やご自分の親御さんのパーソナルヒストリー、若い世代向けのイベントの紹介をされました。

また、台湾の客家料理について、教室をされている方とYouTubeで発信されている方が料理の特徴を紹介されました。

さらに、秦の始皇帝に命を受けて日本に渡来したとされる徐福の墓がある和歌山県新宮市の商工観光課長が、徐福公園や徐福のお祭り、崇正会との関わりについて説明されました。


俳優の余貴美子さんが参加されているのにびっくり。彼女のおじいさんが日本で暮らす客家のひとたちの会を初めて作った方だということで、挨拶をされました。

プログラムの最後は、俳優で元宝塚歌劇団員の麗たまきさんによる日本語と客家語の歌でした。この方も10代で日本に来られた客家の子孫で、余さんもご自分もこれから客家語を勉強していきたいと思っていると話されていました。


高校教員時代に在日韓国朝鮮人の方々について勉強したりお会いしたりすることはあったのですが、客家の人を含め中国系の在日の方々との接点が私はありませんでした。

この会では、1世、2世の「日本の客家」の方々がぎこちない日本語で、しかし熱意を持って経験や活動を話されるのを聞きました。展示への期待・喜び・誇りが感じられるものでした。

座談会後に企画展を見に行きました。すると、展示物の奥に人間が感じられる感覚がありました。いいプログラムだったと思います。

これからも映画や研究者との交流など関連イベントが続きます。

◉ 企画展と関連のイベントについて↓

◉座談会の趣旨・プログラム↓

◉ 客家の集合住宅 土楼(HIS)↓

◉ 著名な客家人(Wikipedia 出典不十分との注意書きありのため参考程度に)↓



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