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互助会、葬儀社、葬儀社紹介サービス、オーマイソーの違い

葬儀を行っている会社には、「冠婚葬祭互助会」(略して「互助会」)と「葬儀社」があります。仕組みがどう違うのか、よく分からないと感じている人も多いのではないでしょうか。また、最近では「葬儀社紹介サービス」も見られます。このたびは、さまざまな葬儀サービスの形と、オーマイソーの違いについて解説します。

互助会とは、冠婚葬祭のためにお金を積み立てる組織のこと

互助会とは、結婚式や葬儀が生じたときのために、毎月一定額を積み立てておける組織のことです。まだ経済的に苦しい状況が続いていた昭和23年に生まれた仕組みで、「会員同士がお金を出し合うことでお互いの冠婚葬祭を支え合おう」という発想の元にスタートしました。経済産業大臣が認可した企業だけが、設立できます。

積み立てたお金は、現金として戻ってくるのではなく、いざというときにサービスとして受け取ります。

葬儀であれば、葬儀式場使用料、寝台車の料金、棺、祭壇、立て看板、遺影、位牌といった儀式に必要な品物やサービスに、積み立てた金額を充当させます。そして、不足金が請求されます。

結婚式であれば、結婚式場や披露宴会場の使用料、ドレス、記念写真、コース料理等に積立金を充当させ、不足金が請求されます。なお、結納や七五三、成人式のためにも利用可能です。

互助会のメリット

互助会のメリットは、主に以下の3つです。

サービスを割安に利用できる

互助会では、積み立てを行う顧客を「会員」と呼びます。会員になると、会員ではない一般の人が使うよりも、かなり安価にサービスを利用することができます。割引率が5割程度になることも珍しくありません。
また、互助会が提携しているレストランやホテルなどの施設がある場合は、会員割引を受けられる場合があります。

いざというときの準備金をコツコツ貯められる

一般的な葬儀を行う場合、平均費用は150万円から200万円ほどです。結婚式は、300万円を下りません。互助会に入会すると、毎月1000円から5000円程度の金額を、何年もかけてコツコツ積み立て、まとまった金額にします。負担を感じず備えたいという人には人気です。

葬儀でなくても使える

例え入会する目的が「葬儀のため」であっても、結婚式など他の冠婚葬祭サービスで利用できます。互助会によっては、仏壇の購入などに充当させられるところもあります。幅広い事業を手がけている互助会ならではの仕組みといえるでしょう。

互助会のデメリット

互助会のデメリットは、主に以下の3つです。

不足分の金額が高い

互助会で積み立て可能な金額には、限りがあります。1000円を100回払い(8年ちょっと)なら10万円、5000円を100回なら50万円です。一般的な葬儀費用の相場である150万円から200万円には、とうてい届きません。
「最低限の備えができる」と銘打っているのに、結局は大きな差額金を支払わなければならないことに、矛盾を感じる人もいるでしょう。

自由な葬儀にはなじまない

多くの互助会では、会員が利用できるサービスをパッケージ化しています。祭壇や式場利用料、棺など、標準で必要になるものを詰め込んでパック料金にし、割引しているのです。パッケージの中に使わないものがあっても、「そもそも会員様にはかなり割引させていただいているので……」と、値引きされないケースが少なくありません。
しかし、葬儀は多様化しています。「式場では葬儀をしない。自宅がいい」「祭壇はいらない」「棺はこだわったものを」といった、自由な葬儀にしたいという希望は珍しいものではありません。さまざまな要求にどう応えていくかが、互助会の課題になっています。

解約手数料がかかる

いったん互助会に入会しても、「結婚式も、葬儀も、互助会の施設では行わなかった」と解約するケースは大いに想定されます。しかし、互助会を中途解約すると、掛金の1割から2割を解約手数料として引かれてしまいます。この手数料が高額だとして、裁判になったケースもあります。

葬儀社は、葬儀を行う会社のこと

葬儀社は、名前の通り葬儀を行う会社のことで、どんな人でも始めることができます。設立にあたって、公的資格は必要ありません。互助会のように、婚礼事業を行うわけでもありません。

互助会はさまざまな事業を行っているため、一般的には大規模となります。一方で葬儀社の規模はさまざま。1000人単位の従業員を抱え、セレモニーホールをいくつも保有している葬儀社もあれば、家族経営で1ヶ月に数件しか葬儀を行わない小さな葬儀社もあります。

互助会と似ているところとして、最近では「会員」を募る葬儀社が多くなってきました。互助会のように積み立てはできませんが、一定の入会金を支払って会員になることで、いざというとき割引が適用されるといった仕組みを作っているケースが多いようです。

葬儀社紹介サービスとは、サービスではなく情報を提供するサイト

インターネットが台頭してから、葬儀社紹介サービスのサイトが増えました。代表的なものに「小さなお葬式」があります。葬儀社紹介サービスとは、葬儀サービスそのものではなく、葬儀社の情報を提供するものです。

とくに首都圏にはさまざまな葬儀社があり、たくさんの選択肢からたった一つの葬儀社を選び抜くには労力と時間が必要です。葬儀社紹介サービスを利用すれば、サービスのエリアや想定している葬儀の規模、予算、形式など家族の希望にフィットした葬儀社を、すぐに検索することができます。

ただ、紹介サービスは業務を行わず、葬儀社を紹介するだけですから、葬儀社との間で何か行き違いのトラブルがあっても、基本的にはサポートしてもらえません。なお、あくまで提携している葬儀社を紹介しているため、エリア内の全ての葬儀社を網羅しているわけではないことにも注意が必要です。

また、サービスの利用は無料ですが、サイトの利用者ではなく葬儀社側からマージンを受けてサイトが成り立っています。つまり、直接葬儀社に依頼するよりも、費用が割高になります。

JAや生協など、会員向けの葬儀サービスと互助会は違う

JAや生協は、地域によって名称の違う葬儀サービスを展開しています。組合員や会員が使える葬儀サービスなので、「互助会と同じようなもの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、実際には違います。

JA葬祭は、JAの組合員を対象とした葬儀サービスであり、生協の葬儀サービスも、基本的には生協の組合員に向けたものです。互助会は、冠婚葬祭のために加入するものですが、JAの組合員になると、食品購買事業や保険サービスなど、JAが行っているさまざまな事業を利用できます。生協についても同様です。

もっとも、葬儀だけのためにJAや生協の組合員になることも可能です。葬儀費用の他に、一定の出資金を支払い、組合員になります。

オーマイソーは、互助会とも葬儀社とも、他のどんな葬儀サービスとも違います

オーマイソーのお葬式は、いたってシンプルです。
積立金や、会員制度や、提携施設代わり引きになるサービスなどは、行っておりません。
葬儀社紹介サービスにも、載っていません。
提供するのは、「棺」と「遺体搬送車」。
そして静かにお別れができる、安置施設の用意があります。

オーマイソーは、家族だけの静かな時間を邪魔しません。
葬儀担当者との打ち合わせに忙殺されることも、次々に訪れる弔問客に対応することも、形式ばった儀式を強要されることもない空間で、豊かなお別れを実感してください。

ふだん着のままの心で、大事な人に祈りを。


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