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「リトルマーメイド」と「スプラッシュ」と鉛筆の花束。ピカピカに注意。

ディズニーの映画リトルマーメイド実写版の公式ホームページに注意喚起文が掲載されていた。公式ページによると「光過敏性発作やてんかんの症状など、光感受性反応による諸症状を引き起こす可能性のあるシーン」があるらしい。
光に対する感受性が高い人が起こしやすいと書いてあったけれど、自分が光に対してどのくらいの感受性があるかなんて気にしたことがないから、どうしたらいいんだろう?と思ってしまった。
子供さんを連れて見に行こうとしていたお母さんやお父さんは、ちょっと戸惑ってしまうかも知れないな。明日からなのに。

そういえば、ゲームとかアニメでもそういう話を聞いたことがあるような。関係ないと思っていたけど、ここまで文章で書かれるとちょっとだけ怖い気もする。読まなかったら気にしなかったかも知れないし、読まなかったら大変なことになる人もいるのかも知れない。難しいな。

人魚の映画といえば、私の中では、トム・ハンクスとダリル・ハンナのスプラッシュ(1984)が永遠の一番で大・大・大好きな映画。監督はロン・ハワード。
トム・ハンクスの、まだニキビあるんじゃない?みたいな若々しさも、ダリル・ハンナの人間離れしたスタイルも、ほんとに人魚みたい。って言っても人魚を見たことはないんだけれど。

子供の頃読んだアンデルセンの人魚姫は、なんだかスッと入ってこなかった。人魚という存在にはもちろんグッときたけれど、お姉さんたちが短剣を差し出した時、「刺しちゃえ、刺しちゃえ。」と思った。恋愛感情がいまいちわからなかったのと、あんなに頑張ったのに、王子様って鈍いし、もう海のみんなのところに帰ろうよーと思ったものだ。

私の鉛筆の花束。あっ、カーミットが混じってる。
それもさりげなく2人。後ろ姿もいいね。

スプラッシュに戻るが、真面目な青年が人魚に恋をして、ドタバタする映画だけど、ちょっとしたシーンが好き。トム・ハンクス演じるアランが、マディソン(ダリル・ハンナ)を食事に連れていったレストランで、ロブスターを殻ごと手に持って豪快にかぶりつくマディソン。アランは「お腹が空いてるんです。」とかなんとか周りの人に説明する。散歩していてピザ屋の店先から、たくさんの鉛筆の入ったマグカップを持って行こうとするマディソン、(そういえば、トム・ハンクスとメグ・ライアンのユー・ガット・メイルでも鉛筆の花束みたいなものをプレゼントしてなかったっけ?)信号機も音楽も見るもの全てに興味を持つマディソン、お風呂にこっそり塩を入れて魚の下半身を伸ばして気持ちよさそうに髪を梳かすマディソン、公園の壊されそうになった人魚の彫刻がついたおっきな噴水をアランの部屋に持ち込むマディソン、アランからプレゼントをもらって、ラッピングリボンのついた外箱を大切そうに眺めるマディソン。テレビを見てあっという間に言葉を覚えるマディソン、ブルーミングデールにアランの洋服を着ていって、親切な店員さんに一式揃えてもらって、下着まで男物だったマディソン。今書いてるだけでも楽しくなってくる。そしてアランと言えば、そんなマディソンに振り回されながらも、絶対に否定しない。あんなにへんてこりんな行動をとる女の子を、全く否定しないのだ。初めは話せないし、裸でリバティ島に現れて警察に保護されて、名前を聞いても変な超音波みたいな音を出してブラウン管のテレビを破裂させる。そんな人ってどっちかっていうと危ないよね。

アランのお兄ちゃんのフレディも好き。なんだかんだ言いながら、アランの訳のわからない行動につきあって、助けてくれる。マディソンを助け出した後、それまでマディソンが入れられていた水槽の上から釣り糸を垂らしてるシーンも好き。マディソンが捕らえられて、一緒にいたアランも人魚ではないかと疑われて、水槽に入れられる。この時初めてアランはマディソンを否定する。これがまた切ない。マディソンは話そうとしたよ?自分のこと、ちゃんと。程なく人魚ではないと判断されて帰されるが、そのアランにありきたりの恋愛や生活より、大切なものがあるんじゃないの?と気付かせてくれるのも、日頃いい加減に見えたフレディ。

アランは泳げない。子供の頃ケープコッドに出かけた船の上から落っこちて、同じく子供だったマディソンに助けられていた。この出会いも可愛くて切ない。アメリカに行った時、もちろんケープコッドにも出かけた。まるで韓流ドラマの撮影地を回るファンのように。この映画でケープコッドが好きになって、その名前のついた時計をサイズ違いで3本買った。ミーハー。ちなみに好きな映画の中に出てきたもので購入できるものを買うのもちょっとした趣味。少しだけどね。

スプラッシュを見た方は、あの科学者の話もねえって思うだろう。そう、あの人の気持ちもわかるんだよね。もしも自分が海の中で人魚を見てしまったら、あんな風に変質的に追いかけちゃうよね。最初は古参の教授たちに馬鹿にされて意地になってた部分もあるけど、捕らえられて水槽の中で弱っていくマディソンを見ているうちに、アラン兄弟のマディソン奪還作戦に協力してくれる。ありがとう。

とにかくどれだけ好きなの?っていうくらい次々に思い出して、またもう一回見た気分になってきた。
今でもエレベーターを待っていると、アランのようにどのエレベータが先に来るか心の中で当てっこして、当たったらちっちゃなガッツポーズをするし、いいことがあったら ♪ ジッパ・ディー・ドゥーダー、ジッパ・ディ・エィ ♪って頭の中に流れてくるし、軽く歌う。おまけに王子様よりアランの方がタイプ。理想と言ってもいい。

ばっかみたいに明るかったり、ありえないくらい壮大な世界観だったり、時には人情満載で泣かされたり、絶対に見ることができない世界を見せてくれたり、何かの不穏な裏側を見せてくれたり、そんな色々な映画を作ってくれる人たちに大感謝。この世界に映画がなかったらどれだけつまらないことか。絶対、つまらない。

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