このお日様が 綺麗なお月様を連れて来てくれる
いつも規則正しくメールのやり取りをする人が、珍しくこちらからのメールに返事が来ないなと思っていたら、4日遅れで返事が来た。
知り合いの方が亡くなったらしい。
入院して意識が戻らず、一月後にそのまま亡くなったそうだ。
そして、そのメールに「悔いが残ります。」
と書いてあった。
誰かの、それも心が近しい人の死に対して、悔いが残らないことなんてないんじゃないかと思う。
最後まで色々とお世話して、とことんお世話して、それでも「ああしてあげれば良かったのかな?」とか「こんな事も出来たんじゃないかな?」とか、いくらでも思いつく。
いくらでも探せる。
そして、探してしまう。
もちろん、私もずっとそうだった。
お母さんの時も、ベタベタ犬の時も、スーパーかっこいいニャンコの時も。
時々、人間と飼ってた犬とか猫とかの話を一緒にすると、眉を顰める人がいるけれど、知ったこっちゃない。
あなたには関係ないとはっきりと言える。
もう、起こったことは仕方がないし、何をどうしたって時間を戻すことは出来ない。
以前、知ってた女性が離婚をした。
その人はお父さんっ子だったらしく、お父さんが亡くなった時、どうしようもなく立ち直れなくてずっと落ち込んでいた。
見ているこちら側もたまらないくらいで、かける声さえ見つからなかった。
旦那さんの方も知ってる人だった。
奥さんの落ち込みが一月、二月続いてくると
その前からそういう傾向のある人ではあったが、外で遊ぶ事が増えた。
家に帰らなくなった。
私達の前でも奥さんに対する不平不満を口にした。
ご飯を作らない、掃除をしない、自分の世話をしない。
彼女に対する気遣いの言葉は一言もなかった。
ある日、そんな事が続くので家族会議みたいな事になった。
その時、旦那さんのお父さんとお母さんが彼女に言った事が、彼女にとっての離婚の決め手になった。
「いつまでも死んだ人間のことを気にするより、今、目の前にいる私達の事を気遣って世話しなさい。どっちにしたって死んだ人間は生き返りはしないんだから。それが嫁の務めだ」
「あなたには子供がいないからいいようなものの、子供がいたら他の事に気を取られてる暇なんてないのよ」
彼女のお父さんを死んだ人間と呼んで、その死を他の事と言った義理の父親と母親に愛情が持てるだろうか。
おまけに彼女は子供が出来ないことを、ぐちぐち言われ続けていた。
その事を、また、そんな時に追い打ちをかけるように口にするとは。
そして、嫁の務めって、周りにいる人のお世話係なの?
ならば、旦那さんや後から家族になった人間の務めは、何?
まあ、その前から色々あったのは知ってるし、その旦那さんもそんなに褒められる人間だとは思っていなかったから、離婚すると聞いても別にいいんじゃないと思った。
実際、私がそんなこと言われたら、相手が誰であろうと馬乗りになって、今なんて言った!もう一度言ってみろ!ってなりそうだから。
そんな人間達のために時間を無駄にすることないさ。
そんな話を聞くといつも思うんだけれど、なんで、その人と、その家族と結婚したんだろう。結婚する時は、それで良かったんだよね。やっぱ、不思議だなあ。
身内でもない人が亡くなっても、悔いが残るほど思いやれる人もいれば、エセ家族とはいえ、一応は家族という集団で過ごした時間があるのに、あんな風な人達もいる。
今日はお月様が綺麗ですよー。
色々あったとしても、綺麗なお月様見ていい香りの紅茶でも飲んだら、いい夜になりそう。
あーーー貸切露天風呂とかから見れたら、もっといいだろうなあ。
いや、お家のベランダでも素敵なはず。
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