蝉の大合唱を聞いてると、蚊取り線香の匂いがしてくる気がする。スイカの匂いも、プールの消毒液の匂いも。
今日も朝から蝉の大合唱だ。
でもよく注意して聞いてると盛大に盛り上がるパートとちょっとだけ休止するパートがある。
やっぱ、ずっと鳴き通しだと疲れるのかなあ。ていうか団体行動揃いすぎ。
鳴きまくるところと休止するところが揃ってる。それも種類の違う鳴き声まで揃ってる。意外と面白いな。
子供の頃は5年も冷たくて暗い土の中にいて、出てきたら2−3週間で終わりなんて、生まれ変わるとしたらセミはちょっとな、なんて勝手なこと思っていたけれど、今考えてみると、蝉の幼虫にとっては冷たくて暗い土のなかが快適なのかもしれないし、下手したら、地上に出ることの方が苦手かもしれない。
こっちが勝手に暗くて冷たい土の中で何年も過ごすイメージを重ねちゃってただけで、案外、室温も湿度も程よくいい感じで、毎日毎日いい夢見て過ごしてるのかもね。
だから、生まれてきたらあんなにギャンギャン泣くのかも。いや、男の子が女の子を求めてるっていのは知ってるよ。
大人になって、周期ゼミっていうのを知った時は、ホント驚いた。
13年とか17年とか土の中にいて、みんなで合わせてドット大量に生まれてくるなんて。どんな連絡網を持ってるのか、はたまた一匹一匹がそういうデータを持ってて、ただ単に人間から見るとみんなで合わせて生まれてきたように見えるのか。
それもはっきりと17年ゼミは3種類、13年ゼミは4種類とかしかいないっていうからびっくりする。他のセミは何百種類もいるっていうのに。それを調べた人たちもすごいな。北アメリカにしか生息しないっていうのも不思議だし13年ゼミと17年ゼミはおんなじ地域には生息しないらしい。
ちょっとまた気になったので(なんでも知ってるらしい)ウィキってみたら、近いところでは来年が13年ゼミの当たり年らしいです。
おまけにそれぞれ出てくる団体さんは、
17年ゼミには17、13年ゼミには13、計30の年次集団が存在しうる。
って、なにそのリンクする数字。
私が陰謀論者とか神の使いを語っちゃう人だったら、絶対食いつきそうな数字。
周期ゼミ
ここにもっとすごい話が詳しく載ってます。素数ゼミって呼ぶと途端にまた神秘的な感じ。数学的な言葉って頭いい感じがするのは私だけだろうか。
集団って言えば、どうして自分以外の人間がこんなにたくさん必要なんだろうと思ってたこともある。
ご飯を食べるのにも洋服を着るのにも、それを作ってくれる人がいなくちゃ始まらないってことは、頭ではわかってはいたけれど、「人は1人では生きていけない。」とかいう決まり文句も、薄ら寒いっていうか、なんだかしっくり来なかった。
でも、あったこともない人から、ほんのりとした救いをもらったり、楽しい気持ちにさせてもらった時に、これかあと思った。
悶々とした鬱々とした気持ちは誰にでもあって(あるよね?)、それを1人で繰り返し捏ね回していると行き場を失ってくる。
美味しいデザート食べることくらいで片付けられる程度ならいいけれど、それ以上になると、なんだか事の大小はあっても、仕返しとか復習とか不穏な考えに陥ってしまうかもしれない。
「同じ土俵に上がらないの。」そういう時はいつもそう言われてた。それをできる人は強い人なんだよーと思いながら「そうだ、そうだ。時間の無駄だ。」と言い聞かせてた。
特捜部Q(ユッシ・エーズラ・オールスン作の北欧ミステリー)っていうシリーズものを読んでるのだけれど、新刊の話の中に、自分の正義を貫こうとする女性が出てきて、要は世の中に必要のない悪い人を退治するっていう、まあ水戸黄門的な感じではあるんだけれど、そのやり方が激しすぎるのと、変質的な考えに囚われてしまってるから、どうにも「よくやった!」と、スッキリとは言えない私刑を繰り返していく。
その人が陰で操っているちっちゃなグループがあって、その人たちもちっちゃな悪者退治をする。まるでクラブ活動みたいに。
例えば、歩行者に構わず自転車を乗り回して、けたたましくベルを鳴らして高齢者をギョッとさせたり、バス停の降車口とバスの間をすごいスピードですり抜けようとしたりする人を叱りつけたりする。それも一日中。
そして叱りつけるだけでなく、長傘をその自転車に突き出す。
一台の不届きな自転車が長傘のせいで転倒すると、後続車も転倒してしまう。
それを正義だと言って、そのグループで報告し合う。
「私は怪我人が出たか、自転車が傷ついたかなんて確認しませんでした。もちろん謝ることもしません。むしろ逆です。彼らが呻き声を上げるより先に叱り飛ばしたんです。今後あの人たちがバス停のそばで無謀な運転をしなくなればいいのです。」と。
それを聞いて他のメンバー感動し拍手する。
確かに歩道を歩道だからって、なにも気にせずぼーっと歩いてると、自転車に轢かれそうになる時はある。
この間も交差点で信号待ちしていると、おじさんがおばあちゃんに怒鳴り散らしていた。
おばあちゃんは自転車に乗ったまま方向転換しようとして、その逆方向から来たおじさんと、接触しそうになった。
確かに急な方向転換は危ないと思う。でもあんなに怒鳴り散らさなくても、言い方ってあるだろ?と思ったその時、訳のわからない血が騒いだ。
「そんな言い方しなくてもいいじゃん。」
考えるより先に口に出た。
結構そういうところがあって、お母さんから「頼むから畳の上で死んでね。」と冗談を言われていた。だから、そういう降車口での危険な自転車の話とか読むと、感じ悪いなあと思うのもわからないでもない。
でも長傘は突き出さない。
その人との境界線はなんだろうと考えたりした。その人は自分の正義に酔ってるだけで、目の前のことが見えていないのかも。
不届きな自転車野郎が転倒した後、それを避けられなくて転んだ後続車の人に、なんの落ち度があるんだろう。
もしかしたら、その人はバス停の後車口で、きちんと一旦停止する気だったかもしれないのに。
まあ、立ち位置によってコロコロ変わるのが正義だからね。
って感じでそのお話が続いて、後で操ってるイカれた犯人は、もっと非道な私刑を繰り返して特捜部Qの面々と相対する事になるっていうお話。
次の回で終わりらしい。そうね、そろそろね。引き際が肝心。
最初からずっと続いてた、主人公カールの事件が結末を迎えるらしいし。
誰がカールを嵌めたんだろう。
あの人じゃなきゃいいけど・・・。
ということで、今日も寝苦しそうですが、あと、2日頑張れば日曜日です。
なにして遊ぼっかなあって考えながら、それまでしれっと時間を過ごしましょう。
そして明日、私は「遂行不可能な任務」を果たさなければならないので、静かに英気を養おうと思います。
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