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モナコに移住できたとしても、他人を思いやれる人になってね。

20代くらいの女性が「シャワーをするとき、お湯になるまで最初お水が出るでしょ?あれを毎回バケツにためて、それをお洗濯とかに使います」と言っていた。

20代の学生の男性が「給湯器のお湯の温度をシャワーの時は41度にして、それが終わったら32度に戻しておきます。一月で1000円から1500円違うんですよ。学生なのでそれでも助かるんです」と言っていた。
そんな風に節約していますと。
感心した。頭が下がる。

そんな事考えたこともなかったし、それをあのくらいの年齢で考えてやってるなんて、凄すぎる。お母さんとかから教わったんだろうか。

なんだか、現代のあの年齢の子がそんなこと言うと、お金の節約っていうより資源を大切にしてますと爽やかに語っているようで、いいもんだなあと思って見ていた。
それに比べてだよ。
無駄に生きずに大切に生きなくちゃ。

昔、組織に属していた時、そこには総務っていうか、もう興味がないのでなんて言う部署だったか忘れたんだけど、ペンとか鉛筆とかリーガルパッドとかそういう備品?会社で使うそういうのを支給してくれる場所があって、確かそれをもらうためにそこに出向いて、名前を書いてからもらうみたいなシステムがあった。

私は文房具フェチだから、自分が使いたいペンとかそんなのを使うから、1回か2回、面白半分で行ったことあるけど(一応、会社のロゴがはいったリーガルパッドとかペンとかって、それなりにグッズっぽいじゃんと思ったから)それ以降はわざわざそこに行くのもめんどくさいし、世間では新しい文房具がたくさん出るわけで、それを使う方が楽しいから、ご無沙汰になった。

ある男性社員は、会社で使うものを絶対自分で買わないと心に誓いを立てたように、足繁くそこに通ってなんだかんだストックして使っていた。

別にそれはいいんだけど、私はその人を見ててひとつ気に入らないことがあった。
そういうグッズをもらってくるのはいいんだけれど、全て適当に使うってところ。

油性のペンなんてキャップしなかったら、つかなくなっちゃうでしょ?
なのに、平気でキャップをしないし、リーガルパッドなんて、付箋なのかよそれっていうほどのバランスででかく書いて、字のでかい私からしても、あまりの部分は絵でも書くんですか?っていうくらいの使い方。
それですぐに破ってゴミ箱に捨てる。

ゴミ箱だってお掃除の人にやってもらうんだからもう少し丁寧にと思うけれど、ガチャガチャ。
まあ、そういうよく言えばなんていうの?大胆?あまり物事を気にしない?わかんないけどオラオラしてる感じ。

ある日その人が大声で怒鳴ってる声を聞いて、何事よと思って見ていたら、
「お前、これは俺のペンなんだ!使うんじゃないよ!おまけになんでキャップしてないんだよ!ふざけるなよ!」と。

「はっ?」どの口がそう言ってんだ。
と思って見ていると、怒られてるのはその人の隣のデスクについていた男の子で、首を亀のようにすくめて謝っていた。

いやいやいや、お前、会社の備品はものすごくいい加減に雑に扱ってるくせに、自分のペン(多分、自分でお金を出して買ったペン)は、そんなに怒鳴るほど怒る対象になるんかい。それとも何かい?ものすごく高級な万年筆かなんかなのかい?

ただの水性ボールペンだった。正味150円くらいの。
いや、それでも大切な彼女からもらったとか、仕事を成功させた時に使ってた、スポーツ選手だったら続け様に勝利を収めた時に履いてたおパンツみたいな、ラッキーボールペンなのかもしれないけど、まあ、わかるわけないし、何怒ってんだかと思いながら目の端で見ていた。

案の定、その日のランチの時間、おしゃべり雀たちの格好のネタになっていた。
なんでも、その男性は総務では有名な存在らしく、備品使用率が全社上げてのNo.1で、備品リクエスト(そんな事が出来るなんてその時初めて知った)率さえNo.1で、ありとあらゆるものをリクエストしてくるらしかった。
おまけにおしゃべり雀たちは、男子トイレのトイレットペーパーが減る量が早いのも、その人の仕業だと推理しているらしかった。

誰から聞いたか知らないが、その男性が朝早く来て帰りが遅いのも、家の冷暖房を使うことを奥さんが許可しないから、会社に長くいるのだと。
そしてノートとかペンを持って帰って小学生の子供にも使わせていると。
その子は学校では友達の間で渋い小学生で通ってるか、案外、会社のロゴ入りだから大人っぽくてかっこいいと思われてたりするかもしれない。

面白いな。そんな生き方もあるのかとその時は思った。
本当のところは知らないけれど、自分のものは大切にして、人のものは大切にしない人を私は嫌いなので、その部分からだけで見たらその人のことは苦手だなと思った。

まあ、彼にしたって、家族の一致団結した節約のおかげで、今頃5億円くらいの豪邸を建ててるかもしれないし、モナコに移住してるかもしれないから、それはそれでいいのかもしれない。
でも、やっぱりお父さんとお母さんを見てて、人のもの(人の事)を大切にできない子にそこん家の子供が育っちゃったとしたら、何にも変え難い損失だと思う。

節約ってなんだか憧れるし「美しい」と思わせてくれるお話と、人のものも自分のものと同じように大切に使おうねっていう、お話でした。

大変、用意しなくっちゃ。
映画見に行くんだー。あれよあれ「哀れなるののたち」よん。
行ってくるねー。

週休2日の方、お疲れ様でした。
不測の何かが起こってちょっぴりブルーな気分になっちゃった人も、週末にはとびきり素敵なことが起きるでしょう。
と私が言ってます。








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