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6 6 6【神様時計】(ショートショート毎週note)


僕は彼を呼び出した。
いつも呼びつけられてばかりで癪だからだ。
彼は時間通りに来て薄ら笑いを浮かべている。
顔の前にぬっと掌を差し出してくる。

僕は持ってきた小さな紙袋を渡す。
これで結構遊べるな。
そう言ってニキビ面の口元をほころばせる。



ところでさ、これどうしたんだよ。
興奮してるのか、やたらと汗をかいて早口でまくしたてる彼は見るに耐えない。
それ聞かなくてもよくない?
ボソッと言うとそれもそーだな、へへっと舌を出す。

それもショボイけど頂いとくわ。
僕の腕を掴んで無理やり時計を奪う。
それだけは返してくれと頼んだが、彼のパンチが腹部に入る。
もらっといてやるって言ってんだよ。


おい、これ壊れてるじゃねーか。
6時6分6秒で止まってんぞ。
ったく、オマエも時計も使いもんになんねーな。
僕は立ち去っていく彼の背中をずっと見ていた。


翌朝、皆が下を向き呟いてる。
中学生、早朝マンションから転落死。
彼の腕時計は6時6分6秒で止まっていた。

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