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現代に国民的ブレーンとしての「学際的知の巨人」はいるか?

村上泰亮という知識人がいた。『文明としてのイエ社会』『反古典の政治経済学』等の著作が有名である。

政府のブレーンとして重用され、論壇誌で主に活躍し、世論のご意見番として活躍していたという(〜というと言うのは同時代を知らないから)。

通俗的に言うと「学際的知の巨人」だったのだろう。村上泰亮は東大教養学部の教授だった。学術的専門学部の教授ではなく教養学部の教授で、その知見は既存の専門的分野を横断してまさに学際的知見を持っていた。

ネットの登場で論壇誌は廃刊が続いており、世論をリードする議論は、「はい論破」のような言説、いわば素人的知性が幅をきかせるようになっている。既存の権威を覆す本質をついたスッキリ爽快な言説として人気をはくしている。

現代の日本に求められているのは旧式かもしれないが失われたの論壇知識人なのではないだろうか?素人の素朴な感覚は当然大切だが、特定の専門分野と学際的な視野を合わせ持った知識人が必要なのではないか?

物理的に「論壇」をどこに作るかという問題はあるけれども。

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