正系知識人丸山真男と傍系知識人吉本隆明
知識人も政治家がそうであるように自分の属する世界での立身出世戦略がある。知識人界での戦略は正系と傍系で違う。
正系とは名門旧制中学から東京帝大を出たような丸山真男が代表され、傍系とは工業大学出身の吉本隆明が代表される。
正系知識人は知識人界でコツコツと身分保障をしていくような行動を取り、傍系知識人は多少乱暴にも目立つような活動を行う。
清水幾太郎は学歴は東京帝大を出ていて正系なのだが、生まれた家庭に文化資本がなかったので傍系知識人のような行動を取ったという。
メリトクラシー研究の大家竹内洋の戦略分析だと以下のようになる。
"界のなかで利潤を生み出す元手となる象徴資本(文化資本、学歴資本)の保有が多い者=正系の戦略は、界の秩序を重んじ、一歩一歩出世する「地道・慎重戦略」(「用心深くなる」「守りに入る」)を行使しやすい。これに対して、界のなかでの利潤を生み出す元手になる象徴資本の少ない者=傍系は、打ってかわって、「華々しい戦略」(転覆戦略)(「危険なことをする」「ゲームをひっくり返す」)を繰り出すことになりやすいということである。"
この視点で知識人たちの行動を観察すると面白い。
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