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北海道の四季

北海道の冬

凍てつく大地。乾いてひんやりとした空気が、耳や鼻の奥まで入り込む。これでもか、これでもかと降りしきる雪を、黙々と老体にムチ打ちながら掻く人々の背中は、どこか痛々しい。否応なしに忍耐力を養える北海道の冬。

北海道の春

しだいにぬるくなる水。屋根の氷柱から溶け落ちる雫。分厚くて重い外套を脱ぎ捨て、軽やかな春のコートに身を包む人々の足取りは、どこかリズミカルだ。

つらい雪かきから解放され、次から次へと芽吹くふきのとうや、クロッカスや水仙の花を愛でる少女たち。その愛らしい姿を見て、頬を緩ませる北海道の人々。

北海道の夏

北海道とはいえ、夏は暑い。毎年のように上がる平均気温。道外と違うのは、さほど蒸し暑くないという点にある。

長雨の末に洪水が起こる心配さえなければ、人々はもっと夏を満喫できるだろう。草原がたなびく地平線や、朝日や夕日に輝く水平線の、えもいわれぬ美しさに人々は癒される。

北海道の秋

青空が最も美しい季節。北海道の秋は絶妙なバランスで成り立っている。夏の名残の暑さと、冬に向かう予感がする肌寒さのはざまに在る。暑からず寒からずの快適な日々は、そう多くはない。

秋に収穫できる果物や木の実の種類の多さに驚く。読書や芸術活動、野外活動に最適な日々が人々の心を潤し、道産子特有の情緒を育み、感性に磨きをかける。最高に美しい、北海道の秋。

The End

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