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無情な音

初秋。ある朝私は、深い森の中を歩いていた。枯葉のざわめき、虫の鳴き声や川のせせらぎが耳に心地よく響き、自然の中に身を置く喜びを満喫していた。

しかし、その至福のひとときは突如として打ち砕かれた。私の目の届く先に、川向こうから現れた狩猟者たちがきたのである。彼らは銃を手に、獲物を求めている。なぜ彼らは、いつも平気な顔をして罪なき生命を奪うのだろうか?

彼らが狙う獲物の所在は、川辺で鳴く鳥のさえずりや、鳥たちが飛び立つ音によって、知らされた。狩猟者たちは静かに、そして着実に獲物を追いかけ銃を構えて狙いを定める。そして一瞬の隙をついて銃弾を放つ。

瞬く間に、哀れな犠牲者の無防備な隙をついて、ターゲットを貫く銃弾の音が森中に鳴り響く。まるで天空を裂くようなその音は私を震撼させ、恐怖と不安と憐憫を否応なく感じさせた。

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