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ゴルフを諦めた男

20年以上前に、ゴルフを始めた。
私がしたかったのではない。地元の飲み仲間と行く旅行で、必ずラウンドしなければならなかった。「仕方なく」始めた。
特に先生に付いてもらったわけではなく、本とかビデオ(まだDVDなかったな)とか参考にして練習。

初ラウンドのスコアは180である。
打つ際に膝に変な負担がかかったせいか、後半は足を引きずるように歩いていた。
泣かない私の心には「絶望感」だけがあった。これからずっとこの苦行が続くのか。

ちゃんと学んでいないからだろう、スコアはなかなかよくならない。
120くらいで停滞した。「100を切る」など無理だな、と思った。
まあ、コースに出るのが旅行の時、年に1回だけなんだからうまくなるわけがない。

そもそもこの「ゴルフ旅行」のメインイベントは「夜の繁華街」であり、飲み会メンバーはそれをカモフラージュする(特に嫁に対して)ために「ゴルフをしに行くのだ」と理由付けする。
私は別に騙す相手はいないし…と思ってしまい、ある年から「俺は昼から単独で観光するから」ということにした。
旅行のためのゴルフから脱したことで、私のゴルフ人生は終わった。
ゴルフバッグは今も、家の廊下の隅に立っている。袋をかぶせてあるのでホコリにはならない。

今は飲み会メンバーの一部に「勤務先の指示で会食を制限されている」者がいるので、飲み会自体が長期休止中である。
果たして、次の旅行は何年後だろう。

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